意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

ゴールデンカムイ読んだ

百話まで無料というのをやっていておそらく今日の23時で終了なのだがとても最後まで読めないだろうと思っていたら読めた 実は昨夜は眠れなかったのである 眠れないときというのは眠るのをいい加減あきらめた午前5時ころに猛烈に眠くなったりするのだが私は最後まで普通だった7時半頃に子供を小学校に送り出してから10分くらい寝た 昼間も眠くはならなかったがイライラして情緒不安定になった 視野がせまくなった ゴールデンカムイは前にレンタルして読んだがとちゅうで飽きてしまって読むのをやめていた しかし無料公開のを読んだら楽しく読めた 人がばっさばっさと死ぬのに妙にほのぼのした漫画であった アイヌは割とどうでもいい

日本人としての私

あるいは日本人という前置きは浅はかかもしれないが人とのかかわりで「これができない」みたいな主張をすることが多い それは相手の「そんなことないですよ」を引き出す誘い玉であり私も私ができない人間だとは思っていない とうぜんできないこと及ばないことはたくさんあるがそれを認められる私が尊いと思っている
だからある一定数いる私の「できない」に対し「そうですね」と肯定する人に出くわすと「しまった」と思う この手の人は人間関係をランク付けするのが好きらしく、好きというか上下をはっきりしないと落ち着かないらしく一度それが固定すると簡単には揺るがない 私は確実な根拠もなく下にセットされるのは愉快ではないがそれでもそれは相手の評価の問題だから気にしても仕方ないと思う だがセットが完了するとアドバイスや注意が始まるから「ああやだな」と思う 私はアドバイスなんてするのもされるのも嫌いだ 他人に偉そうに言うのは心底気持ちがいいものだが後から振り返れば嫌悪感しかない 私が他人に対して主張したくないと思うのは以上の理由からである バカと思われているのが理想だ しかし私にも感情があるからたまには言い返してしまう 愛想笑いも疲れる ちなみに言い返さないとこの手の人はどんどん話のスケールが大きくなるから滑稽だ 終いには千里眼か神にでもなりそうな勢いである だから本当にその人のことを思うのならどこかで言い返したほうが望ましいのである 最終的にその人の正しさで押し切られてもどこかで我に返るのである そういう意味で感情のぶつかり合いは面白いのである 私は感情もまた嫌いだがそれでも感情の効用というか役割というかそういうものを認めないわけにはいかないのである


私の子供が良い成績を取ったときに周りに褒められたときに謙遜すると聞いて私は「謙遜なんて気持ち悪い」と言ったら次のときには「当然だよ」みたいに答えたら今度は「そういうのってかんじ悪いよね」と拒絶されショックを受けた 私はそれこそ人間関係の妙だよと感心したが私もそれに振り回されている もっとスマートに自分の能力を見せつけられるようになれればいいが

ガソリンを入れ損ねた

会社を出るときにはガソリンを入れる道順があって私はそれをガソリンルートと呼んでいる ガソリンルートというのは今思いついた呼び名だがうっかりしてそのルートに入り損ねてしまった 会社を出て最初の交差点を左斜め前に進むところを左斜めうしろへ行ってしまった 幸いにすぐに気がついたから右手のスーパーマーケットの駐車場に入ってUターンをした そうして30分くらい運転して目当てのガソリンスタンドの前を今度は通り過ぎてしまった 車内でSHISHAMOを聴いていて私はSHISHAMOを聴くのが初めてだったから「この曲は良し、この曲はダメ」というジャッジをやっていてそれに夢中になりすぎてしまったからである ところでロックと呼ばれるジャンルのアルバムはどうして二曲目にシャッフルビートの曲がくるのだろう シャッフルビートとは広末涼子の「マジで恋する5秒前」みたいな跳ねたリズムの曲である どんなロックバンドでも必ず一曲はシャッフルの曲があってそれは大抵2曲目なのである 私はそもそもシャッフルがあまり好きじゃないので流れるたびに「またか」と思う 数行前で「どんなバンドも」と書いたがそれはオーバーだったかもしれない ガソリンは明日に持ち越すことにした

意識

通勤電車内で座席に眠っていた私はふと目を覚ました 隣の人にもたれかかってしまったと思いあわてて顔をあげて確認すると私がもたれかかっていたのは私の右の二の腕だった 私はグレーのメッシュ地のパーカーを着ていた それは騎士の着るくさりかたびらみたいだなと前から思っていた


顔を上げると目の前に男の賃金労働者が3人並んでいた 高さ的に股間がちょうど私の目の前にくる形であった 私は彼らのちんこがどの辺りにおさまっているのだろうかと見つめてみた わからなかった みんな股上の浅い細身のズボンである みんな若いのかと思って上半身を見たら20代と30代と40代というかんじだった そのうちの20代は「品の良い人がしていること」みたいな本を読んでいた また同時に耳に音楽を刺していたが音漏れがすごく宇多田ヒカルみたいな歌が聞こえてきた 私は「そういうとこだぞ」と思った 電車内の音量としては普通なのかもしれない 私は音楽を耳に刺すことはランニングのときくらいしかしないしそれも耳にかけるヘッドホンみたいなやつで刺したりしない 私は耳の穴が小さいのかイヤホンがフィットしないのである


音楽がうるさいのはいただけなかったがそういう人が「品の良い人」みたいな本を読んでも変ではない その手の本は娯楽でありなったつもりになれるのが醍醐味だから

出口A1

しばらく電車通勤がつづく 都内である 昨日はやたらに高いビルに登った 東京タワーの反対側の道を行ったところのビルだった とちゅうでカレーを食べた 面に券売機があってカツカレーを押したら小窓から女の店員がにゅっと顔を出してきて
「大丈夫ですか?」
と訊いてきた ボタンの効きが悪いとかいっていた そのままカツカレーの券を渡したらちょっと困惑された 小窓で渡すのは持ち帰り客のみで私たちは中で食べたかったからだ 些細なことでも想定した流れが狂うと困惑するのである 私たちはカウンターでカレーを平らげた後もだらだらとおしゃべりをした 主に同僚の悪口である 同行者は水をがぶがぶ飲んだ がぶがぶ飲んでいたイメージはなかったが店を出てから「トイレが心配だ」と言った 4時間の長丁場と聞かされていたからである 会社に行く前に喫茶店に寄って二人でトイレに入った 同時ではなく、かわりばんこであった 説明会は30分延長したが私はその後トイレは大丈夫であった


今日からはひとりである タイトルは駅の出口を忘れないためのメモである

駅でたおれているひとがいた

ひさしぶりに電車に乗ったら中吊り広告に週刊誌のがなくていくぶん爽やかだった しかしドアーのところには予備校のシールタイプの広告が貼ってあってどんよりした気分になった 私自身が予備校にひどい思い出があるというわけでなく、私はそもそも予備校には行ったことがないのだが 宮本輝の小説で予備校をサボって橋のところで缶を立てひたすら石をぶつけるというのがあった おそらくどんよりした気分のときに予備校の広告を見たからであろう どんよりというのは胃の底に脂っこい汁がたまる感覚である 私からすると電車自体が脂っこいイメージがある 夜のそこそこ混んだ車内は床や壁や手すりもぬるぬるしていて心地悪い 朝のぎゅうぎゅうも嫌だが朝に行ったことというのは過去になりやすい 朝にランニングすると昼過ぎには数時間前に運動したことのリアリティがかなり薄くなってしまう 難儀なことは朝にするのが良い


駅のベンチで体をくの字ににしてたおれているひとがいた 酔っ払いだろうか そばにはコンビニの袋が放り投げられている くの字なのは腹のぶぶんに肘掛けがあるからでこれはホームレスが寝床にするのを防ぐためにあるそうだ しばらくすると駅員がふたりやってきて年配と若いのだった 年配は上着を脱いで水色のシャツ姿であり若いのは紺の上着を羽織ったままだ どちらも帽子はかぶっていて年配が赤い旗を持っている 私は反対側のホームにいて私の位置からはその赤い旗でたおれているひとをつついているように見え不快だった 実際はそんなことはないのだろう 話の内容は聞こえないがやがてはたおれているひとがゆっくりと体を起こし大きく何度もうなづいた 大丈夫ですというアピールなのだろう 吹っ飛んだコンビニの袋を若い駅員が拾い上げてベンチに置いた そこはさっきまでたおれていたひとの上半身を担当していたぶぶんで再び倒れることにたいする駅員の牽制に見えた たおれているひとは袋の中身を熱心に確認していた 年配は笑っているように見えた 若いのは私に背を向けているから表情は見えない 緊急性は低いのだろうか やがて駅員は立ち去り電車がやってきて私がそれに乗ると中吊り広告に週刊誌のがなくて驚いた

コストコ

コストコの話を会社ですると食いつきがよい 私の周りは男ばかりだが興味津々である 「大きいんでしょ?」と言ってくる 男の子は大きい物が好きなのである 私などは何度も行っているからもう見慣れてしまい大きい物の例がすぐに出てこなくなってしまっている 棚がでかいとかそんなのしか出てこない ホットドックが安くてうまいとか試食がたくさんあるとか私じゃない人のほうがよく知っている 私も一瞬「トイレがアメリカンで感動する」とでも言おうかと思ったがやめた 以前は言った気がする 会社でコストコの話をするのは二度目か三度目だ 今回はレジに万札がたまるとカプセルにいれて天井から下がっているパイプに突っ込むんだよという話をしたがそれってコストコだったっけと話していて不安になった お金をパイプに突っ込むなんてラブホテルみたいだ ベッドのヘッドボードのところに管があってそこに料金を放り込むというシステムのところがあった 仮にコストコも管に放り込むシステムだった場合私はそれを眺めながら「ラブホテルみたいだ」と思っていたのだろうか