意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

お掃除番長

新しい職場にお掃除番長がいることが発覚した お掃除番長とは仕事はイマイチなのに掃除当番はやたらと張り切る人のことである 張り切るのは別に悪いことではないがこちらが想定しているよりもやたらと時間をかけたり新しい掃除用具を要求してきたりするのである 今朝も姿が見えないと思って近くの人に訊いたら下見をしているという 下見とはなんだろうか こちらとしては汚れが除去されればじゅうぶんなのである 汚いかもしれないが難しくはないのである しかも余計なところに力を入れすぎて肝心の汚れがとれていないのが番長の特長である

ミサイル抱いて

相対性理論の「キッズ・ノーリターン」という曲でタイトルのような歌詞があってそれと同じようなシチュエーションが漫画「コブラ」の中であってあるときコブラが異次元レースというのに参加するエピソードがあるのだがその話は不思議の国のアリスをなぞっていてサイボーグのウサギを追いかけて色んな次元の世界を旅するのだがその中に流刑世界というのがあって確か流刑島の次元バージョンで世界そのものに犯罪者が閉じ込められているのだった そこには月があるのだがその月が満月になると毒ガスだかが出て犯罪者は死んでしまう つまり死刑なのだった そこに無関係のコブラがやってきて(一応賞金首だが)冗談じゃないということになってみんなでどうにか月を爆破しようということになる 都合の良いことにその世界にはミサイルみたいに発射する木があってさらに都合の良いことに犯罪者の中に爆弾魔がいてミサイルの木に爆弾をくくりつけて月を爆破しようということになった そういえば思い出したが月が満月になると毒ガスじゃなくて特殊な光で理性を失って獣になってしまうのだった コブラがきたころこの獣になった元犯罪者たちがふざけて仲間をミサイルの木に縛り付けて発射させてコブラがドン引きしてそれが月爆破のヒントになるのだった とにかく月爆破の計画は着々と進んだがひとり「そんなことしても無駄だ」的な態度の非協力的な人がいたがこの人がいよいよ最後ミサイル発射の時に実は少しネジが緩んで爆弾がとれそうということがわかってみんなが「マジかよ」というときにミサイルの先によじ登って
「俺が押さえる!」
と言い出してミサイルを抱いたまま月に突っ込むのだった 今思えば割とベタな話だ

寝た

一昨日の記事で夏目漱石に感動した旨を書いたがその勢いで小説が読みたくなってチェーホフの文庫を開いたが数ページで眠くなって寝た 最近はよく眠いのである 読んだのはとちゅうからでとちゅうで読むのをやめ、そして読んだ内容はすぐ忘れ一晩経つと読んだ事実すら忘れた 何かやりきれない内容だったのだ チェーホフはソリで女の子と滑っている男が滑る度に女の耳元で卑猥なことを言うみたいな話があってそれは印象に残っている 印象はチェーホフだけでなくいろんな本のものが残っているがほとんど何の本なのか思い出せないのである

イラン人てそんなに美女ぞろいだっけ?

イラン人が美女ばかりだが顔に布を巻いているからどうこうという話をしている人がいて私はそういう欧米の価値観にしばられることはないですよともっともらしいことを言い女性は洋なし体型、もっと言えばガンタンクみたいなのが一番ですとタンスの上のガンタンクを見ながら昼間言ったことを思い出した 夏に組み立てたガンタンクであった 私はそのころから少し普通でなかったのかもしれずガンタンクの組み立てもどこか現実から目をそらすために取り組んだ節がある

獰悪

子供が学校の宿題で夏目漱石吾輩は猫である」を暗唱していてふと「文学とはこういうものなんだ」とひらめくものがあった 冒頭の数行のみだが「書生は獰悪な種族」というあたりがいかにもひねくれていて何か世界が構築される予感がある 結局は世界を正視しないことが物語の種となるのである そして物語とはその予感だけでじゅうぶんなのである


私は「吾輩は猫である」を読んだことがないからその後100ページなのか200ページ続くのかわからないがじゃあ最初の数行の後には何が続くのだろうか分厚い「その後」をストーリーというライトで照らしながら進んでいくのである ストーリーとは過去であり記憶であり瞬発的なものとはかけ離れている

とんがりコーン

雨にうたれながらとんがりコーンを食べ
「こんな味だったっけ?」
と首を傾げた 私の子供はとんがりコーン
「癖のある味」
と言って食べない 今日は歩け歩け遠足で朝は昨日に比べて曇っていて寒かったが体が温まるとむしろ強い日差しがなくて快適だった 最初に開けたお菓子はチップスターチップスターの塩味がきいてむしゃむしゃ食べた チップスターは重ねる枚数で歯ごたえを調整するが私は2枚が好みだ


その後お昼を食べた後にとんがりコーンを食べて横になったら頬に雨があたって「とんがりコーンてこんな味だっけ」と首を傾げた お菓子の味は時代で変わるから仕方がないがパッケージデザインも変わりすぎて子供のころの味名なのか判別も構わない とんがりコーンは指にはめて魔女ごっこをするのが子供時代のひとつのハイライトだが前述の通り私の子は食べない 仕方なく雨に打たれながらむしゃむしゃ食べていたが子供が自分にも分けろと手を出してきた 嫌いなんじゃないかと訊ねると「そういうときもある」とのこと それから雨が上がって私は妻と子供とはぐれた 野球場にもなる公園で周囲には案山子がたくさんあって私はどこか不思議の国でも紛れ込んだかとうろうろした 足が痛かったからさもうろたえているような様子だった

クラッカーの腹持ちヤヴァイ

ヤマザキナビスコでなくなったクラッカーをふと買ってみたが名前が馴染みのないカタカナの羅列なのでいっしゅんナビスコがあたらしいの出した方だっけ? と混乱する リッツである ヤマザキの方は相変わらず沢口靖子さんを広告に起用してデイリーヤマザキに行くと沢口さんを真ん中に左右に中山美穂黒谷友香を、大外によく知らない女をしたがえているポスターを見かける 沢口さんがまるで遺影を抱えるみたいに新しいヤマザキのクラッカーを我々に見せるのである 左右には中山美穂黒谷友香がいて大外には知らない女がいて5人、戦隊ものみたいにならんでいる 黒谷友香は名前がはっきり出てこなかったが予測変換で出てきた これが21世紀の文学なのである 世紀末には主に単語のみの予測変換が段落単位文章単位にまで拡大するのだろう 黒谷友香噂の東京マガジンのアシスタントをやっていたが終始居心地悪そうだった


クラッカーを食べたらかなり満足した