意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

保坂和志

視覚化されない思考

三國志を読んでいて結構な量であるが三割近くまで読んできてここまで高速道路みたいにすいすい読んできたがだんだんと疲れてしまった。これは結論として「思考の飢え」のようなものではないかと思った。私は昨日「人がぼこぼこ死ぬのはエンターテイメント」…

保坂和志「地鳴き、小鳥みたいな」

昨日に買った。少し前までしばらくは小説はいいやと思っていたからどちらかといえば同時に発売された「試行錯誤に漂う」を買いたいと思っていたが近くの本屋に売ってなかった。近くの本屋というととても小さなものを思い浮かべるかもしれないがそれなりに大…

3Dメガネ

朝か昨晩に保坂和志「遠い触覚」を読んでいて、あと少しで読み終わるという残り少なさだが、最後に近づくほど読むのが遅くなっている。山下澄人は最初のころに感じた「おおおー」という感じがなくなっている。「壁ぬけの谷」という小説を読んでいるが、これ…

いぬやしき7巻

レンタル屋でいぬやしき7巻とゴールデンカムイ2、3巻を借りて読んだ。私は最初7巻をすでに読んだかどうかおぼえていないから6巻を少し手にとって読んでみると主人公の高校生の娘が「漫画家になりたい」というカミングアウトをし、お母さんは反対するものの主…

終わりとはじまり

さっき山下澄人と保坂和志がジュンク堂でやっていた対談の動画を見ていたら保坂が 「「ルンタ」は最初のうちはあまり面白くなかった」 と言っていて、「ルンタ」は山下の小説である、実際「この場面の一人称は誰?」とかあと、「ルンタ」を書いた本人にだー…

好きという感情の乱暴さ

少し前に保坂和志に会ったある若い女性が本人に 「猫が大好きなんですね」 と言ったら、それは認識不足だ、と返されたという旨のツイートがなされていて「認識不足」というワードだったか忘れたがとにかく「お前なに言っちゃってんの?」みたいな反応だった…

公式

二日ほどまえの記事で、「この記事における言いたいことは、これである」という旨の言及をいただき、私としては特に言いたいことがあって日々文字を並べているわけではないから、いっしゅん 「言いたいことは特にないです」 と指摘しようと思ったが、言いた…

「ストーリーが小説を遅延させる」と「音楽が邪魔で音が聞こえない」は似ている

「音楽が邪魔で音が聞こえない」は私が昔ドラムのレッスンを受けていたときに、当時の先生から、とあるオーディオマニアの言葉として聞いた言葉だ。先生も音楽をやっているだけあり、また機械も好きだからそれなりにオーディオに凝るぶぶんもあり、簡単なも…

要約されてしまうようなものは書きたくない

よく文庫本だと、背表紙に話の内容が載ってたりしますが、それを読んでから中身を読む、あるいは中身を読み終わってから背表紙の短い文章を読むと、ふざけてんのかと思うくらい中身の内容と異なっていて、私はそれが要約というものの限界なのではないかと思…

考える練習

昨日か最近、考える力をつけるためにどうこう、という話題を目にし、見なきゃいいのにと思いながらも読んだ。なにか言いたくなるときもあるが、結局は 「人それぞれだよな」 というところに落ち着く。しかしたまに書くこともある。やたらとゼロ秒で思考がど…

保坂和志「未明の闘争」の文庫が出た

@tomodaton あの女性も特に後日談もなく消えていくのが良かったですね。あと後半に友達の猫の話が延々と続いて「これ絶対自身の話だろ」と思っていたところで、「友達にも「絶対自分の話だろ」と突っ込まれたが断じて違う」と書いてあってこの頑なさはなんだ…

文章の型について、逆再生バージョン

最近他のブログで「毎日ブログを更新するには、文章の型を決めるのが良い」という主張を見かけ、ほとんど脊髄反射のように「型なんか決めたら、すぐに飽きてしまってとても毎日書くなんて無理だ」と思考した。私は型、と聞いてクッキーの型のようなものを想…

小説だ

「ふくらんでいる」というブログのほうでズイショさんが、「村上春樹「アンダーグラウンド」読んでます」という旨のことを書いていて、私もかつて読んだことがあったから、「俺も俺も!」と反応したかったが手段がなかった。私とズイショさんは友達というわ…

山下澄人「壁抜けの谷」

表題の小説は「アンデル」という雑誌に連載されているもので、「アンデル」は去年の一月に創刊された文芸誌で、「アンデル」という名称は「編んでる」とか「and L」とかの意味を含むらしい。LとはランゲージのLであった。その創刊号から山下澄人は連載してい…

米の会話

私は農村地帯の出自なので、「米」という単語を使うとき、そこには単なるご飯という主食である穀物以上のニュアンスが含まれる。私の実家は田んぼを所持しており、しかしそれが実際登記上誰の土地であるかはわからない。元は祖父がそこで稲作を行っていたが…

ロラン・バルト「明るい部屋」

ずいぶん昔のことになるが、ある日、私は、ナポレオンの末弟ジェロームの写真(一八五二年撮影)をたまたま見る機会に恵まれた。そのとき私は、ある驚きを感じてこう思った。《私がいま見ているのは、ナポレオン皇帝を眺めたその眼である》と。この驚きはそ…

ジャズとロックの違い

昨日こちらの記事を読んで、そういえば私の勘違いかもしれないが、この方は以前もジャズがわからない旨のことを書いていた気がする。「ジャズ」と大きくくくってしまうからではないか、と思った。私は比較的好んでジャズを聴くが、それでも突然 「ジャズって…

「朝がきた」のリアリティ

この前録画した「朝がきた」というNHKのドラマを見ていたら、それはちょうど幕末から明治にかけての大阪を舞台にしていて、主人公は両替屋につとめていて、明治維新となっておおさわぎとなる。私はそれを見て昔見た「赤毛のアン」でアンのおじいさんが銀行が…

業務の効率化は自分の首を絞めるだけ

少し前に会社の偉い人がやってきて私たちの仕事ぶりを見に来ていて、その人はそこまで偉い人ではない、という風情でやってきたので、こちらも夕涼みするような具合でいつも通りやっていた。それで率直な意見を聞かせてくださいね的に、色々やっていることに…

保坂和志「遠い触覚」

読んでいったら山下澄人の舞台について触れられている箇所があり、私は山下澄人のファンなのだが小説は読んでいるが舞台は未観であった。だから私はファンを名乗ることにある種の後ろめたさを感じ、なぜそうなのかと言えば、誰に言われたわけでもないが、フ…

「寓話」を購入した

少し前にA氏がTwitterで 「小島信夫の戦争短編集がでる」 とつぶやいていたので、「燕京大学警備隊は入っていますか?」と尋ねると、「入っている」というので、「でも講談社文芸文庫って高いですよね」と相手を牽制しつつ、私はこっそり買うことにした。厳…

かな入力よりも、手書きがいい

最近、いくつかのブログで文字入力はローマ字よりもかな入力が良い、という主張を見かけて、その根拠まではちゃんと読んでないので、私の主張はそういう流れを汲んでないので、それを念頭に置いて、考慮して読んでいただきたい。とは言うものの、最初の方は…

御巣鷹山から30年

御巣鷹山の航空機墜落事故から30年、という記事が今朝の読売新聞一面に出ていた。今朝とは2015年の7月25日である。つまり今日である。御巣鷹山と書いても通じる人には通じるだろうが、御巣鷹山は大地が盛り上がった山という部位の名称なので、そこに航空機事…

引用について、保坂和志「小説の自由」から引用

少し前にいまださんが「小説の自由」を読んでいる、というのを目にしたので私も読もうと思って読み、おもしろい部分があったので付箋を貼ってあとでブログを書こうと思ったら機を逃した。しかし今朝三森さんのブログを読んでいたら本の引用についての記事で…

保坂和志「未明の闘争」3

昨日は1日ごろごろして過ごしました。家族が全員ひと揃いして、そんなときになにか事を始めようと思っても、どうせ周りに妨害されるに決まっていて、私はどうせ休みに家にいるのなら、まずは部屋を掃除したい、せめて自分の部屋と寝室に掃除機をかけたい、…

最近よくする話

昨夜は大学時代の友人と飲みに行った。早い時間だったので私たちはカウンターに座り、まだ私たち以外に客はなく、はす向かいの男は最初客かなーと思ったら、やはり店の主人だった。彼はさやえんどうのさやを取っていたのだが、私の席からは手元が見えなかっ…

読書瞬間すぺしゃる

すぺしゃる、と言っても、複数の本をいっぺんに紹介するだけである。すぺしゃる、が平仮名なのは、私が小学校のころ、四年生でわが家に初めてビデオが来たときに、「とんねるずのみなさんのおかげです」という番組が当時流行っていたので、それのスペシャル…

保坂和志「未明の闘争」

鎖の一方の端にふれたらもう一方の端がゆらいだという、あの話のことだ。農婦のワシリーサが泣き出し、娘がどぎまぎしたのは、たったいま学生が話して聞かせた、千九百年むかしにあったことが、この二人の女にも、この荒涼とした村にも、学生自身にも、すべ…

小島信夫 保坂和志「小説修行」

先日小島信夫「うるわしき日々」について書いたらコメントをいただき、私は返事を書いた。おもしろい指摘をしてくださったので、良かったら、読んでみてください。 そうしたら再び返事をいただき、その中で 「あなたは往復書簡のような形式で書いたらおもし…

ペットとの別れはつらい

私はペットの類を飼ったことがないから、別れも何もないのだが、ところで今日は仕事始めで午前中に仕事をしたらお昼になったのだが、今日は人数の関係で後輩のH・Kくんと別室でお昼を食べることになり、そういうときはいつもそうなのだが、H・Kくんはいつ…