意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

読書瞬間

視覚化されない思考

三國志を読んでいて結構な量であるが三割近くまで読んできてここまで高速道路みたいにすいすい読んできたがだんだんと疲れてしまった。これは結論として「思考の飢え」のようなものではないかと思った。私は昨日「人がぼこぼこ死ぬのはエンターテイメント」…

目「蟻」

蟻(目) - カクヨム話の中で主人公が弟を殺したことを思い出すシーンがあったが私も子供の頃弟の頭を父のパターで殴ったことがあり「これは死んだ」と思った。幸いたんこぶで済んだ。弟は忘れたかもしれない。こめかみにお餅のようなカプセル薬の容器のよう…

山下澄人「しんせかい」

昨日の大雨は台風だったということをだいぶ経ってから知った。夜中の十二時近くで静かになったので窓を開けて寝ようとしたら顔に雨粒があたったのでまた閉めた。私は夕立がなにかだと思っていたから夕方会社にいるときは待っているほうが得だと思ったがいつ…

志賀直哉「佐々木の場合」

最近日本の文学をちょこちょこ読む少し前に川端康成を読んでこの前は太宰で昨日は志賀直哉を読んだ。ここまでくれば文学と呼んでいいだろう。ぜんぶ短編である。どれも大して心に残らずスナック菓子を食べているようである。気楽である。川端は伊豆の踊り子…

伊豆の踊り子

今月号の三田文学で保坂和志の特集が組まれていて、私は保坂和志のファンだから購入して少し読んだ。「ある講演原稿」という講演の原稿が掲載されていて、これはひょっとしたら小説かもなあと思って今雑誌の表紙を見たら「小説「ある講演原稿」」と出ていて…

サミュエル・ベケット「事の次第」

表題の本を買った。不安になるくらい面白くなかった。しがみつく読書の始まりである。買うときには気付かなかった帯に 「句読点のない言葉がリズミカルに匍匐前進してゆく」 とあった。句読点がないと絵本のようなものを想像するかもしれないが、絵本にはス…

カフカ「城」(2)

前回「「城」は藤子不二雄Aの「笑ゥセールスマン」のようだ」と書いた。その理由についてこの前は書かなかったが、私は初めて「城」を読んだのは比較的最近の五年前とかそれぐらいのときで、私は30歳をすぎるまであまり読書をしなかった。しなくても、日々や…

カフカ「城」

この前ディックの「電気羊はアンドロイドの夢を見るか」を読んだが、同時期に以前短歌でお世話になった卯野さんも読んでいて、卯野さんは疾走感、ドライブ感が良いと評価している。私の短歌ではなく、小説についてである。卯野さんは他に人間とアンドロイド…

フィリップ・Kディック「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」

まだぜんぶ読み終わっていないが、ここではないか? という箇所にあたったので、引用する。 カダリイは銃をリックに渡し、渡されたほうは、年季のはいったあざやかな手つきでそれをあらためた。 「どこが性能的にちがうんだね?」リックはきいた。見当がつか…

他と自分の間の距離

この二十年の間に、しだいに動物を見ることが少なくなってきた。ずっと以前には、夕暮れのころ、あちらこちらで啼くさまざまな動物の声が、椎の大木の陰の中に聞こえて面白いと思うこともあった。しかし、動物を見ることができないことに気づいたのは、さま…

山下澄人「鳥の会議」2

引用 小学生の男の子が三人と女の子が二人、公園にいた。女の子の一人は車椅子に乗っていた。みんなはその子をブランコに乗せようとしていた。 「こわい?」 「大丈夫」 「そっち持ってよ」 「持ってる」 「支えててよ」 「うん」 「俺足持ってる」 「あんま…

会話

小島信夫「寓話」より引用。 それにあなたの作品はこんどエレーナさんの訳でアンソロジーの一つに入ったそうだし、あなたの、この『寓話』もひょっとしたら、ソ連の作家同盟の方で興味をおぼえるかもしれない。そうでなくとも、『墓碑銘』というのも、ぼくは…

まず、多くの人に通じようなどと思わないこと。「おまえのそんな考えなど、誰にも理解されない」という声が自分の内側から聞こえてきたとしても無視すること。だいたい、“自分の内側“というのが曲者で、それはたいてい人生を通じて出合ってきた人たちの言葉、つまり外の言葉なのだ。言葉とは語る私に先行して存在するということを思い出しさえすればきわめて当然のことではないか。

タイトルは保坂和志「遠い触覚(河出書房新社)」の96ページからの引用である。痺れたので、タイトルに持ってくることにした。 「多くの人に通じようなどと思わないこと」 のぶぶんを朝の9時13分くらいに目にしてから、何度もそこばかり読むので、先に進むこ…

思考力を高めるには

昨日、昌平さんがベケットの「モロイ」を読んでいるとご自身のブログに書いていて、私は嬉しく思った。モロイを読みながら - 文章または写真、またはその両方ところで、私は今「プルーストとイカ(メアリン・ウルフ著 小松淳子訳 インターシフト発行)」とい…

毎日更新することによるメリット、理由等

私はこのブログを今のところ毎日更新しているが、数日前 「そうすることがあなたにとってどんなメリットになるのですか?」 という言葉をTwitterか、ブログで見かけ、それは私宛の質問ではなかったものの、それから「メリット」という言葉についてぼんやり考…

ハイデガー「存在と時間1」

私は小説でもその他でも、文庫にはたいてい巻末に解説がくっついているが、だいたい飛ばしてしまう。その理由をあらためて考えてみると、本編との文体というかリズムというか温度が違うからではないか。小説とはどんなに面白いものでも、次から次に読めるも…

山下澄人「壁抜けの谷」

表題の小説は「アンデル」という雑誌に連載されているもので、「アンデル」は去年の一月に創刊された文芸誌で、「アンデル」という名称は「編んでる」とか「and L」とかの意味を含むらしい。LとはランゲージのLであった。その創刊号から山下澄人は連載してい…

深沢七郎「人間滅亡的人生案内」

表題の本の文庫が最近出たので買った。その前に山下澄人という小説家が自分のTwitterで、「出ます」という旨をつぶやいていて、なぜ他人の本をつぶやくのかと言えば、自分がそこに解説を書いているからである。私は山下澄人のファンであるから、彼のつぶやき…

フランツ・カフカ「審判」

私は少し前にフランツ・カフカ「審判」を読んでいたのだが、途中で投げた。投げた部分といのが、笞刑吏があるときヨーゼフ・K会社の倉庫みたいなところのドアを開けるといて、そこで序盤にヨーゼフ・Kにいろいろ嫌がらせをした裁判所だか役所の回し者の男…

國分功一郎「暇と退屈の倫理学 増補新版」太田出版

先日(チェコ好き)さんの上記の記事で表題の本が面白そうだったので読んでみた。ところで私は以前(チェコ好き)さんの名前についてその括弧にかなり深い意味があると読みとったので、今も名前を記すときにはちゃんと括弧を忘れないよう気を付けようと思っ…

「自分」とはどこの世界の存在なのか

内田樹「街場のメディア論」(光文社新書)を読んでいて、以下の文章が腑に落ちた。 仕事について考えるときに、ことの順番を間違えてはいけないというのはそのことです。「自分が何をしたいか」「自分には何ができると思っているか」には副次的な意味しかあ…

ロラン・バルト「明るい部屋」

ずいぶん昔のことになるが、ある日、私は、ナポレオンの末弟ジェロームの写真(一八五二年撮影)をたまたま見る機会に恵まれた。そのとき私は、ある驚きを感じてこう思った。《私がいま見ているのは、ナポレオン皇帝を眺めたその眼である》と。この驚きはそ…

小島信夫「寓話」

「寓話」を読んだのはもう確か2年前の話であり、そのときは図書館で借りて読んだが今年の夏に保坂和志が個人出版で出ているものを買った。郵便局で払い込もうとすると、 「ATMで払ったほうが手数料が安いですよ」 と窓口の女の人に言われたからそうした。若…

エイモス・チュツオーラ「薬草まじない」

先週くらいに友人の結婚式に行き、その帰りにエイモス・チュツオーラ「薬草まじない」を買った。結婚式場はかなり勾配のある坂を下ったところにあった。なので帰りが大変だった。帰りが登りだったからである。私たちをなぐさめるように途中に神社があり、都…

保坂和志「遠い触覚」

読んでいったら山下澄人の舞台について触れられている箇所があり、私は山下澄人のファンなのだが小説は読んでいるが舞台は未観であった。だから私はファンを名乗ることにある種の後ろめたさを感じ、なぜそうなのかと言えば、誰に言われたわけでもないが、フ…

文系の切り札

小島信夫「小説の楽しみ」(水声社)から引用 ある大学の先生が、こんな話をしてくれました。彼が理科系の学生を対象にした文学講座の第一回目を担当したとき、講義終了後に学生から、こういう質問があったそうです。──「文学にも関心があって、カフカの『変…

引用について、保坂和志「小説の自由」から引用

少し前にいまださんが「小説の自由」を読んでいる、というのを目にしたので私も読もうと思って読み、おもしろい部分があったので付箋を貼ってあとでブログを書こうと思ったら機を逃した。しかし今朝三森さんのブログを読んでいたら本の引用についての記事で…

保坂和志「未明の闘争」3

昨日は1日ごろごろして過ごしました。家族が全員ひと揃いして、そんなときになにか事を始めようと思っても、どうせ周りに妨害されるに決まっていて、私はどうせ休みに家にいるのなら、まずは部屋を掃除したい、せめて自分の部屋と寝室に掃除機をかけたい、…

岡本かの子「河明り」

二歳のとき母に死に訣れてから、病身で昔ものの父一人に育てられ、物心ついてからは海にばかりいる若い店員のつきとめられない心を追って暮らす寂しさ堪えかねた娘は、ふと淡い恋に誘われた。 相手は学校へ往き来の江戸川べりを調査している土俗地理学者の若…

読書瞬間すぺしゃる

すぺしゃる、と言っても、複数の本をいっぺんに紹介するだけである。すぺしゃる、が平仮名なのは、私が小学校のころ、四年生でわが家に初めてビデオが来たときに、「とんねるずのみなさんのおかげです」という番組が当時流行っていたので、それのスペシャル…