意味をあたえる

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凶悪2

今日さっそくエムさんに会ったので、(エムさんは土曜日が休みだった)
「そういや、「凶悪」、途中まで観ましたよ」と報告した。映画好きの人からしたら、映画を分けて観るというのは、もしかしたらとんちんかんなことかもしれない。そう思って言い訳の2、3を用意したが、特に触れられず「どうだった?」と聞かれる。
「胸糞悪いですよね」と感想を言うと、意外そうな反応をした。つまり、私は「凶悪」はあと40分くらいを残したところで見るのをやめたのだが、その40分で一気に明るい方向へ話は行き、山田孝之のお母さんの痴呆が治るとか、記事が掲載されて大反響になるとか、足の不自由な老人たちが急に階段をのぼりだすとか(それはポニョだ)なるのかもしれない。
その後エムさんと作業をしながら話を続け、話ができたのはここのところティーくんが会社を休み続けているせいで、私はティーくんの席で仕事をしている。普段の私は席がない。
エムさんの話では、「凶悪」は実際にあった事件を元にしているらしい。私は意外に思った。それは老人たちがあまりに可哀想な殺され方をするからそう思ったわけではなく、山田孝之のお母さんが痴呆だったからである。そんなに気の毒な老人ばかりが出て来るなんて、いくらなんでもリアリティがないなあと思いながら、実は私はこの映画を観ていたのである。それに痴呆の老人は自分のウンコを食ったりとか平気でするので、山田孝之の母は嫁の池脇千鶴に「さっきもご飯食べたでしょ?」と軽くたしなめられるだけだ。志村けんのコントみたいだ。髪だって白髪だけれども、綺麗なボブカットであり、ボサボサしていないのもリアルじゃない。小綺麗なアルツハイマーの老人だってたくさんいるよ!という声が聞こえてきそうだが、リアルというは実際にいる・いないの話ではなくて、いそう・いなそう、の話です。
だから私は事件そのものは事実であるけれども、山田孝之の家庭については、架空なのではないかと、勝手に判断をした。