意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

派遣

B男は私の会社へ来ている派遣である。しかし、派遣として働いている、という意識は本人にはないだろう。B男は今までバイトしかしたことがなく、そのバイトもブックオフの一箇所だけと聞く。私としてはB男はたいして使えないので、とっとと辞めてもらって新しい人でもとってもらいたい気持ちがあったが、しかし先週末、先輩に
「やめたからって、またイチから教えんのもかったるいしなー」
と言われ、私はもう少しB男に優しく接しようと考えを改めた。しかしB男はワキガであり、近づいたら臭ってきたので困った。
私も今の会社にくる前は派遣として働いていた。実際に派遣社員として働いたのは2社であるが、面接は結構な数を受けたので、随分たくさんの会社で働いたような気になっている。当時はリーマンショックで、なかなか働き口を見つけられなかったのである。
私の場合、私の採用に前向きな人(A)と後ろ向きな人(B)かいて、AがBに負けてしまって採用を見送られる、というパターンが多かった。面接ではだいぶ話が弾んで、じゃあいつからみたいな話になり、家に帰ると電話が鳴り、私が玄関で受話器をとると、経営者に話してみたら、やっぱり経験が足りないからダメだと言われたので今回は見送ります、と話は流れるのである。今思えば私が勝手に浮かれていただけだが、しかし誰それに反対されたから、なんて理由は採用を断る時の常套句なのだろうか?
最高で1日5社受けたときもあったが、あるいは4社だったのかもしれないが、それらの会社のうち今でものこっているのはいくつあるだろうか? 私は手帳をつけたりするのが苦手なので、当時の記録などまるでなく、色んな駅とか建物の風景がごっちゃになって、うまく思い出すことすらできない。そういえは、母親が会長で、息子が社長というマザコンみたいな会社もあった。