意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

結果がすべて

結果がすべて、という言葉というか考えが好きである。

と書いたところで眠くなって寝た。しかし暑いので、夜中に目が覚め、目が覚め、と言ってもまだ0時20分であり、だからまだ暑いのかと納得できる部分もあったので、冷房をつけた。私の部屋の冷房は、ベッドの部屋の隣室に設えてあるので、しかしながら、すぐに冷えるものではなく、私は前日にH・Kくんが
熱中症になるかも」
と言っていた言葉を思い出して、私も熱中症になるのではないかと思っていたので、またベッドに寝る気にはならず、クッションの上で時間を潰した。

そうしたら思いのほか寒くなり、やはり昨夜は熱帯夜ではなかったのかもしれないと思った。その証拠に暑がりである妻やネモちゃんもタオルケットをかぶっている。私は冷房の電源を切り、妻のタオルケットをもぎ取ってから再びベッドで寝た。冷房は、iPhoneの明かりを頼りにタイマーをセットしたから、いずれは消える予定であった。この冷房は大変古い型のものであり、リモコンなどついていないのである。さらには古い冷房の方がよく冷えるという都市伝説(?)もある。

そうして私はまた夢を見たのだが、ある人に
「親父が死にそうなので来てくれませんか?」
と言われた。そのとき私は以前の職場である組合を訪れていて、そこには以前の同僚である女の人もいて、昔話なんかをしているところで、この女の人は現在も組合に勤めていて、ただし今は違う事務所で、さらにとても太ってしまったと聞いたが、このときは昔のままであった。所長はいたか覚えていない。

そこで組合員であるその人もやってきて、死にそうな親父でも組合員で、確かに以前私は会ったことがあるようだ。しかし危篤の状態であるところに会いに行くほど親しくはなかった。思うにこれは息子の方の一種の自己顕示欲ではないか、と私はふと思った。私の親父はまだ死んだことがないので、ひょっとしたら的外れなことを言っているのかもしれないが、欲の強い人ほど、親の死に目にできるだけ沢山の人をあわせたいと思ったり、葬式に招きたいとか思うのかもしれない。

私はその人の結果的にその人の申し出を断らなかったが、それは、人の死が何よりも優先する一大事だから、という慣例によるところよりも、組合員だから、という部分の方が大きかった。断ればこの組合員の心象は悪くなるから、というよりもっというなら、この組合員の心象を良くしておけば、後々の仕事はやりやすくなる、という打算が働いたのである。しかし、前述の通り私はすでに組合の人間ではないが、これが何に対する打算なのかはよくわからなかった。打算というよりも惰性であった。夢の中の私も当然それには気づいているので、自分に対して苦笑いをした。後から思うに、この日の仕事帰り、(これは現実界の出来事の方であるが)H・Kくんとしばらく話をしていて、やはり組合をやめて良かったなあ)と思ったから、夢の中で調整をかけたのかもしれない。私は本音を言えば、組合に戻りたいのである。

そしてどこかの建物の2階に、死にかけたその人の親父が横になっていた。階段を昇りながら打算的な私は、どんな文章を喋ればよいかを考えていた。問題はその人の名前も、どこの支部だったかも思い出せないからである。支部がわからなくて困るのは、やはり支部について話せば話しやすいからであり、こういう人たちは郷土愛が強いからであり、支部、とは基本的に住んでいる土地で決定する。しかし、O町に住んでいるからって必ずしもO支部になるとは限らず、N支部だったりすることもあるから注意が必要だ。N支部にはO町班というのが実際にあるのだ。

私はこの、N支部O町班ではないか、と睨んでいた。建物に入るときに郵便物をさりげなくチェックし、O町在住であることはわかったが、どうしてもO支部であるような気がしなかったのである。女の事務員に電話してきくという手もあったが、この人はあまり仕事に熱心ではなかったので「知らない」と言われる可能性もあった。