意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

金持ち

話のきっかけは台風なのだが、妻の友人夫婦が旅行へ行き、この友人夫婦とは、私の友人でもあるのだが(妻の方)台風が来る前に2泊3日を終え、家に帰ったので、台風に遭わずに海水浴ができた、それが良かったという話だが、それにしても平日3日も休めるなんて、さすが教職員夫婦であるなあと話した。

だから私はネモちゃんに教師になったらどうかと提案しようと思い、実際口にもしたのだが、それは一昨日くらいにネモちゃんが夏休みに遊ぶ相手がいなくて暇なので、仕事などなくなれば良いと主張したからである。この世から仕事をなくすよりも、教師になるほうがはるかに楽である。

教師が金持ちかどうかは置いといて、私は妻と話すときには、とにかく周りは全員金持ち、うちは貧乏と結論づけるのが好きである。それは遠回しに妻の浪費を揶揄しているのだが、だいたい貧乏が好きなのである。今朝も、台風の話は朝したのだがその流れで、その友人夫婦の子供はいずれ大学へ行き留学するだろうと勝手に予想し、うちなんかは大学に行く金も用意できるのかもわからない。そういうことを考えて惨めになるのが好きなのだ。それで夫婦喧嘩にでもなれば最高である。

昔に、私が小学生の時、私が庭で自転車を乗り回して遊んでいたとき、それは夕暮れ時だったのだが、隣の家の男の子が遊びに来て、今うちではバーベキューをしている、と教えてくれたことがあった。今まさに肉を咀嚼しているといった感じのいでたちであり、やがてそれを飲み込むと男の子は
「美味しいお肉、また食べてこよう」
と去って行った。「また」というニュアンスから、私は再び肉を咀嚼しながらやってくるのではないかと私は警戒したが、もうやってこなかった。男の子が来たときには母も洗濯物を取り込むために外にいたのだが、
「どうして、、、」
と言って絶句した。

しかし冷静な読者は気づいただろうが、いくら肉を食べながら私に自慢してきたからと言って、彼の家が金持ちとは限らないのである。私は誰かの悪口を言いたかっただけだ。