意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

父について

前にも書いたかわからないが、私はとにかく書こうとあらかじめ思っていたことと別のことを書ければと思い、毎日これを書いている。だが、書こうと思わなければ、まず書きだすこともできないから、最初は書こうと思ったことを書くしかない。そして、なにかをきっかけにして、話はそれていくのである。しかし、たまには脱線しないで書き終えることもある。今、私の中にイメージとしてあるのは直線で、昔数学で、直線も、数ある曲線のうちのひとつである、と習った気がする。つまり、書こうと思っていた文章も、書くつもりのなかった文章の一部なのである。書こうと思うとか思わないとか、別にどっちだっていいのだ。
 
今日私は昼間には仕事をして、併設された営業所にマニュアルを借りに行き、それは取り扱った商品の挙動がおかしく、しかし割と古い商品なので廃棄扱いでもいいという人もいたが、責任者が休みなので、結局は週明けまで保留ということになった。その前にちょっとマニュアルでも見て、トラブルシューティングの頁でもあれば見てみようということになって、マニュアルを借りに行ったのである。借りに行ったのは別の人だが、返すのは私がやった。そのとき営業所にいたのは事務のRさんだけで、Rさんはごく最近に結婚をしたので、少し前まではRという苗字ではなかった。

というところまで書いて、私は寝てしまった。アップロードしてから寝れば良かったのだが、私は酔っ払っていたので、支離滅裂なことを書いてしまったのではないかと思い、いや、あるいは少しボリュームは足りないものの眠いので起きたら続きを書こうとか、そんなことを考えて、ベッドに突っ伏した。例によって下書きとして保存するとか、そういうことはしなかった。消えてしまったらそれはそれでいいし、むしろ消えてしまった方が望ましい。1番良い文章とは、思いがけず紛失してしまい、半泣きで必死に自分の記憶を辿りながら、なんとか再現しようとして書いた文章だ。

昔バンドを組んでいた時代に、昼間の2時とか3時にライブをやったら(昼の方が安いから)ブッキングしている会社の社長が、その時は珍しくいたのだが、
「5000円でいいから夜もやらないか?」
と言われ、やることにした。この社長とは、サングラスをかけたオールバックの40代半ばで、自宅兼スタジオの駐車場にはベンツが停まっていて、専務という男もいるのだが、この人もベンツだった。ベンツというのはどれにしろ車体は大きく、専務はたまにしかやってこなかったが、ベンツはハッチバック型だったので尚更大きく見え、私は何が言いたいのかというと、つまり駐車場は狭くて5台とまるのがせいぜいで、そんなところにベンツが2台もあると、自分の車が停めづらくて仕方がないのである。しかしベンツにこすってしまったらタダじゃ済まないと思った私は、幅寄せの際、何度も奥の垣根に車体を突っ込ませたのである。