意味をあたえる

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8月32日

8月32日というバクがあるゲームは「ぼくの夏休み」というゲームであることを、さっき別のブログを読んで知った。私は「僕の夏休みはプレイしたことはないが」CMは見たことがあるので、CMで伝えられた情報くらいのことは知っている。私の記憶では私が20歳か、それくらいの頃に流れたCMで、その頃はもうあまりゲームをしなくなっていたのだ。私のゲームの全盛期は中学生で、その頃はスーパーファミコンがメインだった。それまでにはPCエンジンメガドライブツインファミコンを持っていた。テレビも2台か3台あった気がする。驚くかもしれないが、私の子供時代、地域ではそれがスタンダードだったのだ。もちろんゲームを一切やらない人もいたが。

8月32日と聞いて思い出したことがある。それは私が小学高学年か、中学か高校のときに読んだ、とある絵本のことである。絵本というよりも、絵は確かにあったが文字が多いから、児童書だっなのかもしれない。とにかくそれは妹か弟が、図書館から借りてきたものだった。あるいは学校の課題図書の類だった可能性もある。

本はオムニバスの短い話がいくつもおさめられていて、その中に、主人公の女の子が、それは多分幼稚園児だったが、その子はそのとき夏休みだったのだが、
「夏休みがあと丸日しかない、夜になって寝たら(丸−1)日になっちゃう」
と嘆いていると、猫が現れて、それは喋れる賢い猫で、
「じゃあ寝る度に、(丸+1)日にしてあげるよ」
と提案してきて、それに乗ったら、本当に夏休みの残日数が増えていく。女の子はやったー、と喜ぶわけだが、いつまでたっても夏休みが終わらないから、幼稚園には行けないわ友達にも会えないわで、結局は泣いてしまう。バッドエンドである。猫はその後登場しない。

私はそれを読んでぞっとしたのだが、私は元々ループ系というか、途方もない話が苦手なのである。この女の子の夏休みは残りの人生が80年と仮定すれば、80×365日の夏休みが、元の日数に加算されてしまうのである(閏年は考慮しない)。せめて、乗算ではなく加算であることが救いであろうか。

これ以外の話は割とほのぼのしていて、あと私が覚えているのは猫子ちゃんという女の子が
「私の時間がほしいな」
と思っていると魔法使いが現れて、時計の12時の脇に「猫子ちゃん時」というのを作ってくれる、という話もあった。イラストの目覚まし時計の12の文字の横に、女の子の顔が描かれている。

私は上記のことを一気に思い出し、思い出したのだから探してみようと思い、検索してみたが、全く引っかからなかった。余程マイナーな本なのか、あるいは私の妄想だったのかもしれない。じぶんの記憶が妄想かもしれない、と思うのは楽しいので、これからも見つからないことを願う。