意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

父親学級

今、市外の小さなお祭りに来ていて、そこでは青空の下で麻雀を打っている老年の男女の姿があり、たしかにそれは気持ちが良さそう。あとはNPO法人とか。コーヒーも100円で売っている。

市のお祭りなので、市役所の駐車場が開放されており、頭に市のマスコットの絵が描かれた方眼紙で作った被り物をした、ただしマスコットはあくまで二次元だから、被り物と言っても横や後ろから見てもなんなのかはよくわからない。会場にいくと、中に人の入ったぬいぐるみが、「コオロギ音頭」を踊っていた。

私は、一度は市役所の駐車場なんて、すぐに一杯になってしまうから、最初から諦めて有料のコインパーキングを探すほうが効率的だと主張をしたが、本当は入り口にいる係員に空いているかどうか聞くのが、恥ずかしかったからだ。しかしその前に車はいつの間にか右折レーンに入っていたから、どちらにせよ素通りしなきゃならなかった。それから家族を会場のそばに下ろし、すると今度はすんなりと市役所の方へは入れて、係員はいたが近寄っても来ないので、そのまま車を入れて、停めることができた。やぐらの上に立っている人が、
「あと5台? そっちのレーンが? 全体?」
と大きな声で言っていた。

車を降りてから交差点にいたら、奇妙な人を見た。自転車に乗った老人だったが、iPodを首から下げ、音漏れが激しく、何かのクラシックを聞いているのがすぐにわかった。ホルンの低い音がわたしの耳に届いた。その人は自転車に乗っていたから、やがて信号が青になると行ってしまったが、そのときその人は青いウィンドブレーカーを着ていて、背中に、
「最強バッテリー
杉浦 - 野村」
とプリントされていて、「最強バッテリー」の部分は扇形の文字の配置で、たしかに服の英字のプリントっぽかったが、やはり奇妙だった。白い文字だった。南海ホークスのファンサイトでは普通に売っているのだろうか? それともその人のオリジナルだろうか。オリジナルだとしたら、私は何て入れるだろう、とか考えると、私の思考はそこで止まる。

表題の「父親学級」とは、私が昨晩に見た夢のタイトルで、私は他の父親たちと一緒に校庭で体育をした。私たちは、そこは小学校のグラウンドだったが、すでに大人だったから財布や名刺入れなどを持ち歩いているから、貴重品係を決め、その人は青いプールバックを持って来て、そこに貴重品を入れた。複数ある人は、腕時計を巻いてまとめた。ところが、今はみんなスマートフォンを持っているから、袋はひとつでは足りず、もうひとつの袋を女子から借りて来て、女子のものだから色は赤で、それはスマートフォン専用にしようということになった。女子は家庭科でもしてあるのだろうか。
「我々が子供のころは、携帯なんてなかったですからね」
と誰かが言った。その人は頭にだいぶ白髪が混じっていて、一体何歳の時の子なんだろう、と私は思った。若い父親もおおぜいいたが、若い人の方が打ち解けにくく、だから私も最初は黙っていたら、Kさんに話しかけられて、私は冗談なども言った。Kさんは都内で営業をしているから明るく、しかしやがて他の人の方へ行ってしまった。

それから体育が終わったので、校庭から後者に向かう階段を昇ると、1年生の教室が見えた。1年生たちは、自分の父親が引き上げる様子を騒ぎながら見ていた。志津もその中にいたが、志津は私がいることに気づいていないようだった。