意味をあたえる

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ダイエットで大事なのは睡眠

かつて私は太っていた時期が二度あり、それは10代と20代だ。それぞれダイエットを行い、10代のときは運動、20代のときは食事制限で、それぞれ10キロ以上痩せた。

細かく言うと、10代のときは、テレビを見ていたら、
有酸素運動を20分以上行うと脂肪が燃焼します」
と言っていたので、じゃあ20分以上やろうと思い、家の庭でリフティングを始めた。私はサッカーの経験が全くないが、サッカーが好きだったのである。Jリーグも始まったばかりだった。リフティングと、それからヒールリフトができるようになったらカッコいいと思ったので、それらを練習した。ヒールリフトとは、かかとで後ろからボールを蹴り上げ、頭の上を通って前に持ってくる技である。ヒールリフトはできるようになった。リフティングも、最高330回できた。それが終わると、10分くらい走った。当時はすごい距離を走っている気がしたが、実際は1キロ程度しか走らなかった。途中で犬を飼っている家があって、必ずほえられた。母は、私が庭でボールを蹴って痩せたと思っていて、当時は弟も太っていたから、同じようにボールを蹴ったらどうかと、当時の家族新聞に書いた。余談だが、私が高校の時には、家族で順番こに壁新聞を書いたことがあった。私が言い出した。結局ひとり一枚ずつしか発行できなかったが、父も母も書いた。父はパソコンで仕上げてきた。私は反則ではないかと思ったが、父は字が下手だからということで了承した。私は、ランニングで痩せた気でいたので、母に、
「ボールを蹴ったくらいでは痩せないよ」
と抗議した。今思えば、リフティングしていても、結構体は温まったから、それなりに効果はあったのだ。

それから七、八年してまた太った。就職をして、酒のつきあいが増えたからである。加えて結婚もしたから、もうのん気にリフティングしてる場合でもなかった。今の家は、そんなに広い庭がないのである。

私の妻も二人目を出産したら一気に太り、ある日妻が、なんとかスープダイエットをやると言うので、私も軽い気持ちで一緒にやることにした。やったことのある人なら知っているだろうが、月曜日は野菜のみ、火曜日はフルーツのみ、みたいなやつである。その代わり、指定された材料で作ったスープは何杯おかわりしてもいい。しかし、これがゲロ不味くて、とても何杯も食べようとは思えない。腹にも全然たまらない。不味いのは、私がトマトが苦手なせいもある。トマト全開のスープなのである。色も赤い。

しかし、つらかったことが功を奏し、私の中で、ここまでつらいのなら、結果を出さなければ悲惨だ、と思い、一週間やり遂げたあとに、再度ふりだしに戻り、最終的に3回か4回行った。指示書にあったスケジュールは、月曜始まりであったが、現実を火曜とか水曜から始め、火曜に月曜のメニューを食べたりして調整をした。最後は仕事中に目の前が霞んでやばそうだったので、慌てて引き出しにしまってあったチョコレートを目一杯頬張った。当時はデスクワークだった。10代の時も、最後は貧血を頻繁に起こすようになったので、やめた。

それで、ダイエットのコツは、とにかくお腹が減るので、早く寝てしまったほうがいい。夜はとくにお腹がすく。お腹が空いているということは、ダイエットがうまくいっている証拠である。起きていると、余計なことを考えたりするので、尚更寝てしまった方がいい。翌朝になると不思議と空腹感はなくなるので、必要最低限しか食べずに、次の日も乗り切れるのである。結果を出すには日数が必要であり、それならなるべく早く時間を経過させたほうがいいので、やはり多めに睡眠をとり、時間をワープさせるのである。

忙しくてそんなに寝てらんないよ、という人は、残念だがあきらめた方がいい。運動にしろ食事にしろ我慢をすれば、ストレスがたまるので、加えて睡眠も確保できないというなら、体を壊してしまう。寝る時間もないけど、どうしても痩せたいという人は、誰か打たれ強い人を探して、当たり散らすという作戦もある。友達をなくすかもしれないが、それくらいの方が真剣にできるかもしれない。

村上春樹のエッセイを読んでいたら、煙草をやめるには、みたいな記事があり、やめるための条件が3つあり、一つ目が一切の仕事をしないことで、二つ目が、誰かに当たり散らす、だった。三つ目が忘れたが、食べまくる、だった気がする。絶対にダイエットと禁煙を同時にしてはいけない、とあったような気がする。