意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

たかみなと付き合う夢を見た

私は高校生であった。

たかみなは、制服は着ているものの、顔や髪型はあの、たかみなであるから、不自然きわまりないが、夢なので誰も文句は言わなかった。私とたかみなは、廊下側の列の、前から二番目の席だった。たかみなが壁際で、私がうちがわである。新幹線の座席のようである。

私とたかみなが、付き合うようになった経緯については、おぼえていない。たぶん、向こうから告ってきた。それも、人づたいに。だから、私は、これはドッキリではないかと、疑っていた。私が気を許し、手でもつなごうとした瞬間に、
「てってれ~」
と、例の音楽が鳴り、立て札を持ったミスターちんが現れるのである。私はその立て札を見て、
(ああ、その立て札は、「売地」の看板にそっくりだなあ)
と思うのである。

授業は倫理であった。倫理の教師は、痩せた、顔に吹き出物の多くて目がうつろな教師、短く刈った髪にはフケがわんさかであるが、よく見ると白髪なのである。教師は決して若くはないが、私はその白髪のことを「若白髪」と心の中で呼んだ。教師自体を、若白髪と呼んだわけではない。

教師は以前
「私はメーデーを祝日にしようの会の会長をしておりまして」
と自己紹介をしたことがあり、もちろんこの会には彼しかいない。彼の話では、もし5月1日を祝日とした場合、日本の法律では、祝日と祝日に挟まれた日というのは、「国民の休日」となる、4月29日はみどりの日なので、4月30は休みとなり、さらに5月2日も3と挟まれて休みになるのである。まるでオセロのようだ。さらに、それだけ休みが続くと、かならず1日は日曜とかぶるので、振替休日が発生し、全部で8日も休めてしまうのである!

さらに教師は、11月23日が元は「新嘗祭」のことであることを教えてくれ、実際に天皇が収穫されたこめや野菜を嘗めているのかどうか、宮内庁に電話で確認したことがある、と話していた。

さて、今日の授業は「火について」でした。教師は「人類が火を使うようになって、手に入れたものはなに?」という質問に、順番に答えていく。
「料理ができるようになりました」
「寒いときに暖がとれるようになりました」
「鉄などを溶かして、武器やアイテムを作れるようになりました」
「お風呂を沸かせるようになりました」
「生もので、お腹をこわさなくなりました」
「火傷をするときもあります」
「のろしを上げて、電話の代わりになりました」

これだけ答えても、教師は満足せず、「いやいや」とか「そうじゃなくて」とどんどん指していく。その日は、冬休みが空けて最初の授業であり、その日にちの出席番号の人が最初に指され、そこから席順に指していく。窓際の列はほぼ壊滅状態になった。

真ん中の列を半分過ぎたところで、私にも自分の順番がくることを覚悟した。教師は、不機嫌そうに、舌打ちまでしている。「どうしちゃったんだよ?」「まだあるだろ?」「一番大事なやつ」

そのとき、たかみなが手を挙げた。
「それは、光です」
あ、たしかにそうだ、と私は思った。さすが私の彼女だ、と私は誇らしくなった。

その後休み時間になると、下駄箱のあたりで誰かが
「たかみなの母乳が飲みたい」
と言い出し、それはさすがにまずいんじゃないの、と私が言ったら、
「飲んでみなきゃわかんないじゃん」
とその人は答え、私は
「そうじゃないよ」
と笑いながら突っこみを入れた。全然ウケなかった。私は焦った。私の話術で、たかみなの母乳からみんなの興味をそらせればいいが、下手を打つと、
「お前ら付き合ってるもんなあ」
などとからかわれて、たまったもんじゃない。そのうちに学生服の数人がたかみなを羽交い締めにし、
「乳首さえ隠せば問題ない」
とひとりがポケットティッシュを取り出し、私は(ティッシュに染み込む母乳かな.....)と思い、これって短歌になるかも、と思った。それからたかみなのおっぱいが、ぽろん、となり、ティッシュの合間から乳首がエロチックに見え隠れして夢は終わった。

そのあと起きて時計を見たら四時過ぎで、また寝たら、今度も学校にいて、タイムマシンで過去に行くことになり、そうしたら後輩が、
「自分が過去に行くとするなら、自分自体も過去にならなければいけないですよね」
と言い出したので、私はタイム風呂敷にタオルケットのようにくるまれて、過去へと向かった。そこで何かを見たが、忘れた。