意味をあたえる

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さくらももことディストピア

昨日の記事で
「小説とは、動いている電車に飛び乗るようなものだ」
なんて書いたら、昨晩夢を見た。私は記事を更新してから、比較的すぐに寝たのである。そうしたらまず午前二時頃目が覚めて、そのときは大便をするかどうかについての夢だった。実際にしたかった気もするが、面倒なので翌朝にするということにした。同時に充電器に付けてあった携帯を取り上げ、充電を確認すると、100%であり、私の携帯は充電がとても早いのが自慢です。よく、携帯って、満タンなのに充電すると良くないと聞くが、最近のはそうでもないよとも聞くが、しかし満腹状態でご飯を食べるのは体に毒、というのは、簡単にイメージできるから、やはり外した。世の中なんでもかんでもイメージである。私たちは「実体よりもイメージのほうが力を持つ」という、イ、メ、ー、ジ、を、植えつけられている。だが、このまま外しても朝になったら85%とかになって、そうすると1日持たないような気がするから、それなら充電しっぱなしでいいやと思ったが、しないで寝た。

朝方に見たのは、いわゆるロボットの支配する世界に住む私たち、という設定で、私は人間なので隅に追いやられていた。そこで、ロボットたちにどうにか認められたい、見返してやりたい、と私は思うわけだが、その方法はひとつだけあり、それは走っている車の車輪と車輪の間に体をねじ込ませて、傷ひとつなく移動するというものだった。「傷ひとつ」という言葉から想像できるとおり、タイミングを誤れば即死なのである。ちなみに、このロボットの支配する社会の車は、タイヤが6つあり、前輪が2つで、後輪が4つである。つまり、1と2の間に飛び込むのである。

大変危険なチャレンジであるが、過去にひとりだけ成功した者がいて、それがさくらももこであった。さくらももことは、私の中では文字であるが、夢の中でも文字だった。文字である、というのは、さくらももこは顔写真を公開しておらず、また漫画家だから自分の顔のイラストは頻繁に書かれているが、それらは全て「ちびまる子ちゃん」になってしまうから、文字のイメージになってしまう。だから、車輪の間に飛び込むさくらももここも、「さくらももこー」という文字が、タイヤの下の隙間にひゅーっと吸い込まれていくイメージである。このチャレンジを無事成功させたさくらももこは、その後ちびまる子ちゃんをヒットさせ、すっかりお茶の間の人気者になるのであった(ちびまる子が)。

ちなみに、私はさくらももこの素顔を見たことがある。昔さくらももこ編集長の「富士山」という雑誌が発売されたことがあり、それを買ったら、アラビアンナイトに出てくるような衣装を着たさくらももこが写っていたのである。しかし、普段着でないせいか、あまり印象に残らなかった。さらに雑誌には父ヒロシも登場し、ビートたけしが家にやってくるというページもあった。

それで、いよいよ私も車輪に飛び込むときが迫っていたが、よくよく考えると失敗して死ぬ確率がかなり高いので、私は怖じ気付いてきた。しかし、「失敗するかも」と思うから失敗するんだ、と、ブラック企業のようなことを考え出し、私は普段「努力のいらない世の中へ」なんて主張するくせに、心の奥底では平気で根性論を振りかざすことに気づき、愕然としたのであった。

目が覚めた。

目が覚めてから会社に行く途中で、さくらももこのことを考え、昔読んだ詩集かエッセイで、小学校で自分が怒られているときに、お母さんは家でなにしているのかなあ、と思いを馳せている内容のがあったのを思い出した。お母さんは掃除だか洗濯だかしていて、今日もももこは、友達と仲良くやっているかなあ、とか思っている。しかし当の本人はそのとき先生に怒られている最中であり、暗い顔をしながら、自分が情けないと思うのである。

私は、多分小学生のときに同じことを考えたことがあって、「お母さんはまさか俺が先生に怒られてるとか思ってないだろうな」「いじめられて泣いてるとか思ってないだろうな」とか思って、ただでさえ悲しいのが、余計に悲しくなった。だから、大学生になって、その本を読んだときは悲しくなったし、今朝も思い出して少し泣いたし、今も書きながら涙目になってしまった。今朝はコンビニに寄って、泣いた後だったから、行くのが恥ずかしかったが、例えば長らく飼っていたペットが死んだていで行けば、恥ずかしくないのかもしれないと思ったが、私はペットを飼ったことがなかった。だから、花粉症、ということなら、今日は曇りだけど、曇ってもくしゃみする人もいるから、涙目の人がいたっておかしくない、現に私は今朝は薬を飲み忘れたのだ、とか考えて車を降りた。隣には、若い職人がトラックにぎゅうぎゅうに乗っていて、おしゃべりをしていた。私はこの人たちが極めて下品な話をしてくれればなあと思ったが、会話は聞こえなかった。

それから、今朝は早めに家を出ていたので、公園の周りをぐるりとまわってから、会社へ行った。