1.自分の兄は車の中に放置されて脱水を起こして死んだ
最近ではあまり聞かなくなったが、よく夏の暑い日に両親がパチンコに興じている間に、車に残された子供が暑さに負けて死んでしまうというニュースがあった。私が子供のころからあったし、大人になってからもたまに聞いた。だから、テレビなどで、夏の車内は50度近くになる、とかそういうのもやっていた。今は、パチンコ店内に託児施設などもあるのかもしれない。
それで、子供のころの私は、どういうわけが自分には実は兄がいて、兄は幼い頃に両親がパチンコしているあいだに熱射病で死んだ、というふうに思い込んでいた。母にそう聞かされたのである。あるとき、母に
「お兄ちゃんって俺のいくつ上なの？」
と訊いたら、母はそのとき洗濯物をたたんでいたが、「？」という顔をして、私のただの思い込みだということが判明した。
私はそれよりも前に父に、
「パチンコはやらないの？」
と訊いたら
「若い頃はやっていたけど、今はやらない」
と答えたので、やはり兄を亡くして、パチンコを絶ったんだろう、と勝手に思った。また、母は30手前で私を産んだから、もうひとり上にいてもおかしくない年齢だった。
2.1999年に地球が爆発する
お盆に父の実家へ行ったときに、叔父に聞いた話である。「実家」という言葉には県外にあるような響きがあるが、私の家から徒歩5分程度の場所にあった。母の実家は県外である。実家には祖父母と叔父が住んでいて、もうひとり別の叔父もやってきて墓参りをしたあと、お寿司とかお刺身を食べていたら、住んでいる方の叔父が、扇風機の前で、
「1999年に地球が爆発するってよ」
と教えてくれた。叔父は前から禿げていて、腕組みをしていた。テレビでは甲子園が流れている。私はこれはこまったぞ、と思った。しかし周りは割と落ち着いているので、私もむやみに取り乱さないよう注意した。
いわゆるノストラダムスの大予言を、叔父が勝手にアレンジしたのだが、そのときの私はまだ、ノストラダムスは知らなかったので焦った。ノストラダムスのほうは、たしか「人類の三分の二が滅ぶ」だったので、爆発なら多分三分の三は逝っちゃうと思うので、叔父のほうがハードモードである。
それで、こういうときに思い出すのが、
「家族みんなで死ぬのと、ひとりだけで生き残るのとどちらがいい？」
という質問で、我が家は私の妹が飛行機に乗りたくない子供で、旅行で沖縄とかグアムに行こうよ、となっても、妹は首を縦に振らない。幸か不幸か私の家は裕福ではなかったので、旅行はいつも新潟県がせいぜいだったので、マジな喧嘩に発展することはなかったが、父か母はいつも上記の質問をして、妹を苦しめた。まるで「一緒に死のうよ」と勧誘しているようだ。こんなヘンテコな質問をするのはうちだけかと思ったが、その後「ちびまる子ちゃん」を見ていたら同様の質問がされていて、私の父母の世代には、そういうのが流行ったのかなあ、と思った。私も子供にそんなことを言ったことがあるが、怒られて終わった。
ちなみに、飛行機を一番嫌がっていた妹は、そのあと旅行に行きまくっている。
3.ドーナツを食べるときにいつも考えること
これは、大人から聞かされたこととは何も関係ないのだが、昨日、この記事のことを思いついたときには3つ思いついたのだが、最後のひとつを、今日になったら忘れてしまい、書いているうちに思い出すかなーと思ったが、やはり思い出さないから関係ないことを書く。
昨日ドーナツを食べていて思ったことだが、私はドーナツに限らず食べ物はシンプルなものが好きで、ドーナツもオールドファッションが一番好きだ。昨日食べていたのはオールドファッションではなく、おからドーナツだったのだが、このドーナツは割と内径が大きい。私は横向きに一口かじった後は、縦向きにして、ソーセージとか海苔巻きを食べる要領で口に含んでいくことに、なんとなく気づいた。それで、これも半ば無意識に行っていることだが、その際かじった断面の円の面積を、最小に抑えようとしてしまうのである。どういうことかと言うと、内径から外径に向かって直角に線を引くと、その線がいちばん短い線となり、私はなるべくそうやって前歯を食い込ませて食べないと、気が済まないのである。どうしてそんなことにこだわるのかはわからないが、もしおんなじことを考えている人がいたら教えてください。
