意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

私に短所はありません

文字を打つスピードが落ちたから、早めに書き出さなければならないというプレッシャーがある。そうしないと目的地に着かないからだ。ただそうすると、目的地に到着しない方がよいとする私の本音と一致するので、しばらく続けるが、そのうちにスピードは上がるのだろう。

朝か昨夜に紙さんのブログに「短所」という単語が出てきて、それについて考えた。考えたことについて今から書くと、もし誰かに
「あなたの短所を教えてください」
なんて聞かれたら、困る。そんな質問が出るシチュエーションなんて、面接くらいしか思い浮かばないから、面接用のつくろった回答になってしまうが、本音を言えば、「ない」となる。面接用の模範解答だって、私が知っているのは
「最善の行動をとろうとするあまり、二の足を踏んでしまうことがあります」
なんて、プラスだかマイナスだかわからない言い回しだ。結局のところ、短所なんてない、と私は主張したい。

例えば時間にルーズな人がいます。しかしその人はまさか自分が時間にルーズだなんて、思わないだろう。その人とは、私の妻なのだが。私は結婚してから、妻が自分の宣言した時間通りに行動する姿を見たことがない。常に予定時刻は過ぎる。しかし例外があって、ラルクやジャニーズのコンサートは、遅刻はしない。それにしたって、グッズを買うために朝早く家を出るのだから、本当に自分が計画したとおりに家を出たのかは怪しい。結果オーライなのではないか。

妻はそういうのを、自分の短所とは認識していない。「イヤになっちゃう」などとは言うが、ちっとも困っている風ではない。仕事はパートをしているが、遅刻ばかりでたまに社員に注意される。だけれども、意に返さない。それどころか、そのぶん給料がさっ引かれるのだから、怒られるのは筋違いと思っている。

私がもしそんな人と同僚だったら、嫌だなあと思う。説教をしてしまうかもしれない。前にネットで、電車が遅延したからと言って、悪いのは電車だからと、のんきに出社してきた女性新人に怒鳴り散らすというのがあった。それはブティックかなにかで、お店の前が交差点になっていて、横断歩道を、その女性社員が、ゆうゆうと歩いてきたのだ。ブティックだから中から丸見えだったのが、仇となった。池袋の駅だったかもしれない。女性は、ドトールでコーヒーを飲んでやってきた。

私はその文章を読んだときは、「女性、けしからん」という気持ちだったが、今は書きながら、だんだんと女性の肩を持ちたくなってきたから、そういう書き方になった。いくらなんでも、鉄道会社の責任を新人女性に負うのは気の毒である。例えば、電車の遅延を見越して早めの電車に乗るのが当たり前、という意見もあるが、1時間早く乗ったからといって、電車がそれ以上に遅れたら同じことである。同じじゃないのか? でもそういう考えでいくのなら、始業開始時間をもっと早めに設定して、きちんと手当てを出すほうが、当、た、り、前、だ。

そんな風に考えると、正社員の方がずっと条件的には不利なんじゃないか、と思えてくる。

話を戻すと妻はパート先でもうまく折り合いをつけてやっているので、妻にとって時間にルーズなことは短所ではない。短所は、自分では認識できない。認識できるのは、それを克服したときである。

※紙さんの記事はこちら