意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

面白いブログが多くてこまる

私はブログの教科書や指南書的なものを読んだことがないからわからないが、そういうのには「ブログには笑えることを書きましょう」「ジョークをまじえて文をやわらかくしましょう」とか出ているんでしょうか。あるいは昨今のお笑いブームがそうさせるのか。とにかく要所要所で笑いをとってくる、あるいはとろうとしてくる姿勢が鬱陶しい。具体的には、

  1. 文末の括弧内で自分に突っ込みを入れる。(何様だ)
  1. 過激なことを書いてそれに取り消し線をいれる。

などである。取り消しせんは私が書いているアプリには用意されていないので例示できないが、横棒のやつである。それと、私はさもこれから面白いことを書きますよ的な雰囲気も好きじゃない。あと、やたらと長い比喩も嫌だ。こういうのって、現実の会話で考えると、嬉しそうにごちゃごちゃ言っているけど、端から見ると何を言っているのかわからない、早く用件言ってよ! のいうのに似ている。ブログは所詮独り相撲だから、いつのまにか書いているのはひとりなのに、聞き手が登場して会話を始めちゃうことがある。よく言えばキャラが一人歩きしたとか言うのかもしれないが、多くは深夜に書くラブレターのようなものである。

例えば気持ち悪いことを書くことを主眼においたブログであれば、それは正しいし、私も大歓迎である。あとは、人を爆笑の渦に巻き込みたい、という目的であれば単にスベっているだけだから問題ない。問題なのは、割と有益な情報を発信しているブログで、興味深く読んでいるところに「(ヲイ)」とか出されるとシラケる。私はこの先の更新も楽しく読めるのか、不安になる。

私はそもそも笑いというのは、ぜったい笑いが起きない雰囲気や条件の中で発生するのがいちばんだと思っていて、だから「プロのお笑い芸人」というのは、存在として矛盾している。例えばお笑いのネタにしたって、彼らがやるより、校長先生や文部大臣がやった方が絶対に笑える。それなのにテレビを見ながら抱腹絶倒できるのは、芸人や作家の人が卓越した才能に恵まれかつ努力を怠らないからであって、そのため、私たちが文末でちょこっと笑いをとろうとしたって、文全体ではマイナスになってしまうのである。

問題は読んだ人が楽しめるかどうかであり、それには書いた人が楽しいかどうかは関係がないので、書く人は無理に楽しまなくても大丈夫なので安心してください。