意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

食パン、または私が単純記憶が苦手なことについて

タイトルがああいう感じなのはつながり等があるわけでなく、どっちにしようか決めかねているからである。私はいつもってわけじゃないけれど、タイトルを先に書いてしまうから、そのときはまだ内容に手をつけていないから、そう考えると私は今日の記事の内容はこんな具合ではないか、と見当をつけてタイトルを決めているのである。

昨日仕事の行きにコンビニに寄ってエナジードリンクを買ったら、
「良かったら」
と食パンをもらった。朝の話である。パンは個包装であった。試供品であった。店員のアルバイトのもじゃもじゃした頭をした男が
「どうします?」
みたいな顔をしたから、
「ください」
と言ってもらった。私は昔コンビニでバイトをしていたから彼のきまずさがよくわかる。朝の仕事に向かう人に食パンなんか持たせても荷物になるだけだから邪魔になるだけだ、と邪魔そうにする人がいるからである。しかし食パンなんかまだマシで、私は店員だったころ、客にクジをやらせたらアイスのスーパーカップを朝から当てた人がいて、
「ちょっと待てよ...」
みたいな空気になった。私も迂闊に
「おめでとうございます」
なんて言えない。私の頭がおめでたいと思われるから。もし私が個人商店の店主なら、アイスを魚肉ソーセージに替えてあげたいところだが、大手の店舗というのはそういう融通がきかないところだった。ぜんぜん関係ないがスーパーカップのアイスが初めて登場したときのCMに出ていた女の子が天地がひっくり返るくらいかわいくて、どうにかそのCMを録画しようと昔はどの番組にどのCMが流れるか調べようがなかったから、以前に見た記憶を頼りに、昼間六時間とかビデオを回しっぱなしにして録画したこともあったが、撮れなかった。あとCM専門の雑誌というのもあったが、私は買ったがどこにも出ていなかった。私が初めてスーパーカップを見たのは友達の家の冷凍庫で、そのときは半分くらいの食いかけだった。その友達というのが太っていたからスーパーカップというのは、かなりのボリュームのアイスなんだな、と思った。

一方それから10なんねん経って客の立場となった私。食パンはシキミが毎日食べるし、私の職場には食パンを置くスペースも幸いあるから、そこに置いた。車の中に置くという手段もあるし、今は冬だから悪くならないと思ったが、日光があたったりしたらやっぱりマズいと思い、建物の中に持って行った。それで家に帰って、
「今日パンもらったよー」
と私が言うと、妻が
「もしかして」
と言って、袋を見たら中に同じ銘柄のパンが一斤入っていた。新発売だったから妻が飛びついたのだ。パンばかりあっても仕方ないから、もらってきた方は私が食べた。パンの後に鍋を食べた。

食パンといえば、私が一年以上前にこのブログで「iPhoneでものを書くススメ」という小説を連載していたときに、昼に食パンを一斤食べる男のエピソードがあり、彼はどこかの原住民のような手つきで、中の白いぶぶんをくりぬいて食べていた。私は
「貧しいのかな」
と思ったが、そういうことはついにわからなかった。彼は私の会社に来た派遣の人で、彼は2日来たら、
「達成感がないので辞めます」
と言って、去っていた。辞めるとは、派遣会社のスタッフにそう言ったから、直接聞いたわけではなかった。食パン以外では、無口だったが特に変なところはなかった。もし今も続けていたら、そのパンを彼にあげていたかもしれない。

ところで「iPhoneでものを書くススメ」は途中で私がAndroidに変えてしまったから、未完となってしまった。たしか「悪い男」が登場し、
「どう悪いのか気になります」
とコメントもいただいたのに、彼は出てくるだけで終わった。今思い出すと気の毒なことをしたと思うので、悪い男の特徴をあげておく。

  • 煙草をよく吸って、更衣室が煙草臭くなった。
  • 仕事の手が空くと、「お金はいらないから」と言って帰っていった。
  • 痩せていた。
  • お昼休みはずっと自分の車に閉じこもっていた。
  • 猫を飼っていた。
  • 海パンを履いて仕事に来た(夏だった)。
  • 派遣スタッフがくると、フェンスに寄りかかって話をしていた。スタッフも寄りかかった。
  • 有料チャンネルに登録していた。