意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

靴との相性

昨年か、一昨年に夏に履こうと思って買った靴があるが、それを履いていると左足がしびれる。しびれてやがて、痛くなる。きっかけはこの前サッカーを見に行ったときにその靴を履いたのだが、そのときは数日前から腰が痛くてその日は朝から横になっていたのだが時間になると私は縦になってでかけた。電車を何本か乗り継ぎ行き着くところまでくると、ロータリーのところで友達が待っていて、
「バスでいく? でも帰りは歩きだけど」
と言うから、私は行きも歩きで行くと言った。実際競技場までは距離があったが、普段の私からすれば大した距離ではなかった。しかしそのときは普段ではなかった。途中でユニフォームを売ったりするところがあって、あと普通の住宅もあり、
「この辺りはみんなサッカーの好きな人たちが住むのか」
みたいな話をした。サッカーに興味のない人には地獄だが、半端なファンはもっと地獄だろう。おそらく通りがかる人がみんなそんな話をするのだろう。

歩き出せば腰の痛みは気にならなくなった。立っているときが腰には一番良い。観戦中の固い椅子が気になった。しかし地べたに座るよりかは、椅子があるだけありがたかった。チームは負けた。

帰りも歩いたが少し疲れた。イオンで飯を食おうと友達が言い、実際は提案されたわけではないが、私たちは当然のように駅の前を素通りして店へはいった。彼は私より三歳上だった。もう9時を回っていて、こんな時間までやっている飯屋があるのかと疑問だったが、やはりほとんど閉店していた。イオン自体もまもなく閉店するとのこと。大勢入っていった客は、そこに車を停めているからきているのだった。私たちは電車であった。ショッピングモールの、固い床が、私の腰かふくらはぎに、だいぶダメージを与えた。

それから腰も痛くなくなって、仕事でも倉庫の中を歩き回ったりしたので、私は足のしびれも治ったと思った。サッカーの次の日くらいとかは、少し歩くとしびれた。だが、今日歩いたら、もう途中から痛くてしょうがなかった。今日もショッピングモールにいた。田舎のショッピングモールはどこも広すぎるのである。床も固い。靴も悪いのかもしれない。底がやわらかくて、歩けば歩くほど足の裏にフィットすると思ったが、衝撃の吸収が弱いのかもしれない。休み休み歩いた。

すると子供のステージみたいなところがあって、そこで子供の祖父が、幼子の靴を脱がせて遊ばせていた。子供はステージの上でははいはいをし、ステージの段差から降りるときは後ろ向きに足から降りるのでいっしゅん立った体勢となり、それが気に入るのかそのまま日本足で駆け出すのであった。子供の父親が裸足で駆け回る我が子をつかまえ、再びステージにもどすと、子供はまた四本足となった。二本足と四本足のハイブリッドの時期だった。徐々に周りの大人の人間関係がわかり、ステージの周りには子供の父親と祖父母がいた。祖父は靴を持ち、祖母はスマホで写真を撮っていた。父親は半袖のラガーシャツを着て脇にオムツの箱を抱えていた。父親が祖母に見せる笑顔を見て、私はこの親子は血のつながりがある、と思った。父親は親孝行ができて満足なのであった。