意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

ミナイトブーツが飛んでいる

ミナイトブーツという文字の並び、音声の組み合わせが小学、中学時代に定期的に流行った。私はもちろん最初意味がわからなくて殴られた。意味がわかると今度は「ミルトブーツ」という亜種が出てきてやはり殴られた。私は長男で就学前は人の言うことを素直に受け取るタイプだったので、この手の遊びはぜんぶ引っかかった。ある朝学校へ行って後ろのドアから入ると窓際から数人のクラスメートがやってきて、ニヤニヤしながら
「1+9+3=?」
と出題され、もう繰り上がりの足し算などに目新しさを覚える年でもないから、何か変だと思いながら、
「13?」
と慎重に答えると、
「残念、一休さんだよ」
と見下すように言われた。そんな馬鹿な話があるか、と思うがこういうのを数の暴力と言うのだろうか、こういうのを家に帰って妹や弟にしたって特に弟はまだ言葉だっておぼつかないのだから張り合いがない。両親は相手にしないだろう。こういうことに関してはやはり末っ子などの長男長女以外が強い。私の子供も娘二人だが、上の子は中学で一度学級委員をようやくやったが、下の子は小三になるとすぐに立候補して他の候補をおさえて勝ち取った。こういうのを親は誇らしいと思うのだろうか? そういう気もなくはないが、実は私も小三のときやはり学級委員に立候補して、そのときも候補は複数いて、多数決となり順番にクラスメートが手を挙げ、先生が正の字を書いていった。結果は私に投票したのは私の一票のみだった。それが悔しくて悔しくて仕方がないわけでもなかったが、今でもおぼえていてやはり下の子の世界は上の子よりもずっと早く開けるのだろうな、などと思う。ちなみに私はその一年後に暮らす委員になったが、そのときはもうクラス委員の価値は地に落ちていて私は周りから推薦されてなったが、それはもうイジメの一環であった。私はその一年はイジメられて過ごした。

私が今となっては周りによく「冷たい」「ネガティブ」「人の心がない」などと言われるのは、冒頭のミナイトブーツ等でさんざん周りに騙されたせいであり、それは純粋さゆえと私は思っているが、今は今でやはり純粋なのである。