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意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

金髪のお兄さんが頭をさげてくれた

さっき帰り道に会社から通りに出るときにそこは国道だからなかなか出られずに、おまけに二車線だから容易には出られない。まれに追い越し車線を車が走っている場合はセーフという自分ルールを作ったときもあったが、追い越し車線の車がずっと追い越し車線を走っている保証はないのでやめた。私は免許の取り立てのころは自宅や叔父の事務所のガレージに擦ったりしたが、それ以来取り立ててどこかにぶつけたりということはない。さっきから主語がないがこれは車の話である。叔父のガレージには父親の車をこすった。父は大変ショックを受けていたが、叔父はへっちゃらそうだった。私はすみませんと頭を下げたが、叔父は
「いいよいいよ」と言った。私は免許取り立てにありがちな、ぶつかっているのになお進もうとする、という状態になって、叔父のガレージは一メートルくらいへこんだ。次に行ったときにはへこんだぶぶんに鉄板が貼ってあった。私は鉄板には気づかないふりをした。叔父は個人事業主でずいぶん稼いでいたのかもしれない。

私が大通りに出られずにいると、やがて右の彼方から自転車に乗った金髪の男が近づいてきた。最初は豆粒程度だったが、発見した瞬間から自転車に乗っている金髪の男だということに気づいた。金髪はあとから気づいたかもしれない。私は自転車に気づいてますよというアピールと、やさしさから車を少し後ろに下げ、彼に道を譲ってあげた。すると金髪の男は私に向かって頭をさげ、つーっと前を横切って行ったから私は
「意外だな」
と思った。