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意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

縁石

昨日通勤中にセブンイレブンの前を通ったら、私の前に出ようとした車が縁石に乗り上げた。幸い、完全な乗り上げではなくてすぐに降りて私の前に入ってそのまま右折レーンに入った。私はまっすぐだったのでその車の横に停まった。はた目には無傷のように見えた軽自動車だが、下の方の塗装がはがれ、へこんでいた。それはラパンという軽自動車で昔若い女が円形に並んでこの車を取り囲んで音楽に合わせて前進をし、合図とともに誰が最初に運転席に乗り込むかというCMをやっていた。乗り込んだのは日本人の若い女性で、乗れなかったのはそれ以外の肌の色や髪の色の女性で、それはあたかもこの車が国産車であることをアピールしているかのようであった。このCMのせいで、ラパンという車は女性の乗るものというイメージが私の中であったが、私の知り合いでラパンのオーナーはみんな男であった。これは実は日本のラパンのオーナーは男性の方が多いというより、私の全知り合いの男女比は男の方が圧倒的に多いからであった。職場も男性の方が多いが、女性はホンダフリードとか、マツダハッチバックとか、そういうのに乗っていた。かつてこのブログの最初のほうに度々登場したB男という男もラパンに乗っていて、ある日B男のラパンはドアミラーがへし折れた状態で会社に来たが、何日かすると直っていた。私は夢でも見たのかと思って訊ねると、B男は直したという。私は純粋な好奇心から、
「ドアミラーの修理っていくらくらいかかるの?」
と訊くと、わからない、親が直してくれたから、という。側にいた私の先輩が何か馬鹿にするような文句を口にした。いつまで親のスネかじってんだ、みたいな。実はそれまでのB男の言動やキャラから私はおそらく親が直したことを察していて、その上で質問をしたのだった。つまり意地悪で質問したのである。例えば私にしたって、家の火災保険は親が払ってるし、風呂の湯沸かしが壊れたときも、私は全く修繕に関わろうとはしなかった。当然「どのくらいかかるの?」とか訊かれても見当もつかないが、しかし「あー知らないっす」とか、まるで関心のない風に答えると相手はあまり突っ込んでこない。知らないのが当たり前という空気を作るのが、この手の悪意から逃れる手段である。私は純粋な好奇心、からドアミラーの修理費を訊ねたが、純粋な好奇心にはしばしば悪意が含まれる。