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意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

揺れる

山下澄人芥川賞をとったおかげで、比較的小さな本屋でもその著書を見かけることができるようになった。大きな本屋では以前から見かけた。私はまだ「しんせかい」は読んでいない。その少し前に「壁ぬけの谷」を読み終わった。本屋をあてどなくぶらぶらしていると、私は最近は電子書籍で本を読むことが多くなったので、以前ほど集中して本屋をぶらつくこともなくなった、しかし電子書籍で読み終えた本やこれから読もうと思っている本が目に入ったり、また実際に手に取ってみると果たしてそれが目的の本なのか判別が難しくなる。実物の書物の自分勝手な大きさや厚さに苛立ちをおぼえる。

文芸雑誌コーナーに文學界があってでかでかと「山下澄人」とあったので手に取ったらインタビューで何ページかいい加減に読んだ。買っても良かったがそこまで興味を引かれなかった。芥川賞が作家をつまらなくするのである。代わりにすぐそばにあった「昭和・平成の女優100選」みたいなのをぱらぱらとめくった。すると地面が揺れた。人の歩幅が地面を揺らしていることにやがて気づいたが、はて、そんなに体格のいい人なのかと思って振り返るが普通体型であった。床がもろいのである。私は大地震の前兆でもキャッチしたのかと思っていたらまた揺れた。また普通体型である。床がもろいと確信した。鉄骨の、かなり頑丈なショッピングモールの二階だと思っていたが、ところどころはもろいのである。全体がダメなのかもしれない。私はだんだんと目眩のような、船酔いのような気分になりながら、そんな状態で眺める白黒写真の女優もオツなものであった。その後肉を買って帰った。妻が不機嫌になった。