意味をあたえる

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海辺のカフカ

「騎士団長殺し」が手元にないから「海辺のカフカ」を再読した - Letter from Kyoto

川添さんが村上春樹海辺のカフカ」について書いているから私もおぼえていることなどをだーっと書きたい気になった。私は川添と同様「海辺のカフカ」以降に発売された小説は読んでいない。「海辺のカフカ」も文庫になってから読んだ。面白さの度合いでいったら「中」といったかんじだ。じゃあ「下」はなに? と訊かれると思い浮かばないから「下」でもいいかもしれない。私の中では「ねじまき鳥クロニクル」が一番で「ノルウェイの森」が二番である。そして「ダンスダンスダンス」がダークホースである。でももう死ぬまで読まないかもしれない。


海辺のカフカ」で印象に残っているのは読者が作者に「高知県のなんとか市には図書館はありませんよ」という指摘に作者が「次の版で直しておきます」と応じたところである。かつて村上春樹はデビュー作の「風の歌を聞け」でネズミという登場人物が車をぶつけたときのシーンについて読者が「ネズミの乗っている○○という車には△△はついていませんよ」という指摘に「あの小説は△△のついた○○のある世界の話だ」と突っぱねていたころと比べ丸くなったという印象を持った。△△のついた○○のある世界という言い回しを私は気に入っていてまた別の読者の中にも同じような人がいて読者とのメールをまとめた本の中にもそれを取り上げる人がいた。しかし村上春樹はつれない態度をとったから△△のついた○○のある世界という言い回しはあとから「しまった」と思ったのかもしれない。嘘は最小限にという不文律があるのかもしれない。


どこで読んだか忘れもしかしたら夢かもしれないが少し前の文芸誌の記事で村上春樹が取り上げられていて村上春樹が北海道のなんとか町を舞台にした小説を書いていてそうしたらそこの町議が作者に「うちの町にはそんな人いませんよ」と抗議してそんなこととはゴミのポイ捨てとかそんなのだったが村上春樹はそれにも応じて謝罪したとどこかの小説家が言っていてがっかりしたと書いていた。いつだったか若い女と不倫記事をすっぱ抜かれた小説家だった。私も確かにがっかりしたがお前が言うなよみたいな気持ちもあった。お前とはがっかりしたと書いた作家である。同業者だからかばえとまでは思わないが同業者は注意してとりあげないとどこか僻みっぽく聞こえてしまうものである。しかしそういうことがあればインターネットでも話題になるだろうからやはり私は夢でも見ていたのかもしれない。