意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

書いているあいだはお金はかからない

モンテ・クリスト伯を読み終わった。後半に行くにしたがって読む速度が加速した。全7巻だったが最後は1日で読み終わってしまった。つまり今日購入した。休みだったのである。電子書籍で購入するとおそろしく気安く買える。そして場所をとらない。いくら文庫本でも7冊あるとちょっとした山になってしまい妻に目をつけられてしまう。妻からしたらどうして同じ本が7冊もあるのかぎょっとしてしまうかもしれない。転売目的とか思われるかもしれない。妻は私の読んでいる本にはまったくとんちゃくしないと思っていたからこの前読んだ「言ってはいけない」を放っぽいていたらいくらか読んだらしくしかも内容をある程度把握していたので私は驚いた。しかし肝心の私のほうがすでに内容を忘れていたから話はかみ合わなかった。目を細め「要するにアレでしょ? アレみたいな話だっけ?」という態度をした。まるで夫の頭の中は蔵書でぎっしりで検索しようにも情報量が多くで曖昧な結果しか返さずはっきりわからないことを誇りに思っているようだった。


夫婦は昨夜テレビを見ていたら上の方にニュース速報が流れ見るとどこかの政務官が辞任したというニュースだった。一体なんのことなのかわからないので夫が調べてみるといつぞやのニュースで泥みたいなところに視察にきた政務官を下っ端がおぶって案内するときのおぶされた人のことだった。その件で叩かれてすっかりしょげ返っているのかと思ったらパーティーで「私のおかげで長靴屋が儲かった」という旨のことを言ったらしい。私は悪意をもった書き方をしたのであくまで旨であることをご留意いただきたい。同じようなシーンが「モンテ・クリスト伯」にもありモンテ・クリスト島に到着したマクシミリヤンが浅瀬で濡れてしまうからと背中を差し出す水夫を無視しざぶんと腰まで海に浸かるシーンがある。水夫は「やめてください。これじゃ私が主人に怒られてしまう」と悲鳴をあげるのである。マクシミリヤンとしては死ぬ気まんまんなので自分が濡れようが関係ないが水夫の人生は続くのである。


妻は「どうしてこんなことで辞任しなきゃいけないの」と言うので夫は半ばムキになって自分の不注意で余計な公費を使わせておきながら悪びれる様子もなくトークのネタにしちゃうのだからそれなりの制裁もやむなしと説明した。しかしその後夫は自分のよく見るサイトのコメントを見ると「こんなことで」という妻と同類の意見が大半を占め夫は自分の感覚がずれていたことを自覚した。