意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

相変わらず相対性理論

ハタチくらいから相対性理論丸わかりみたいな本を複数読んでいる。特殊相対性理論はなんとなくイメージがつかめたが一般のほうがまだまだである。そもそも教えるほうも苦戦しているような印象である。というのが特殊のほうの説明にかんしてはほとんどの本で「光の○パーセントの速さで進む列車」というのが登場しその中で真上に光を放って天井に鏡を置き再び戻ってきたら一秒とするみたいな比喩がたびたび登場するからである。速度もさることながら天井まで光が0.5秒かかるのだから大きさも巨大で異様な列車がお出ましする。実際には巨大な列車をイメージするよりも豪速球くらいの速さのデフォルメされた光というのをイメージすると良い。それが外からと中からで進む距離が違うから物体なら速さを調節して内と外でつじつまを合わすのだが光の場合は速さの融通がきかないので時間や空間がゆがむのである。しかし時間や空間の歪みなど日常で目で見て確認できることなどないのでどうしても理解が追いつかない。翻ると私たちはふだん何かを理解しようとするとき必ず身近な何かを経由させているのであり私たちの理解力や想像力というのは単独では乏しい。


そもそも日常で観測できる相対性についてもあやしいところがある。例えば車で40キロで走っていて向こうから60キロがきたらそのスピードは100キロというのはわかる。逆に40キロを45キロで追い抜くときは早歩きで追い越すみたいなのもなんとなくわかる。これを拡張するとXキロで進む物体の反対方向に同じXキロで進むと進んでいるのに静止していることになるが静止するって何だよと思った。これを実際にやってみせたのが昔やっていた「トリビアの泉」という番組で視聴者が「静止するんですか?」とハガキで寄越して私は「同じ速度の逆方向なら止まるに決まってんだろ」とつぶやいたが心の中では「本当にそうだろうか」とドキドキした。逆方向に球を投げるのだから空中で止まるということである。つまり球はぷかぷかと浮くのである。番組では軽トラックにピッチングマシーンを積んでトラックの速度がピッチングマシーンの設定速度と同じになった瞬間に球を発射するのだが確かに球はその場で宙に浮いたままとなった。しかもぎゅるぎゅると高速回転をしており異様だった。あれを触ったらどうなるのだろうか。いいものを見せてもらった。しかしトラックの荷台からピッチングマシーンを発射するということ自体非日常的だから奇妙なのだろう。その点動く船や戦闘機から魚雷やらを発射している軍人さんのほうがお馴染みなのかもしれない。