意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

いつだって長い鼻毛は人を感動させる

ぐだぐだと仕事が終わらずちょうど夕方から雨が降り出してこうして仕事を続けていればそのうち止むだろうと思いそう思うと仕事を続けることにもなんかしらの意味を見いだせそうだがいっこうにやむ気配はなくいつの間にか倉庫の水銀灯には虫が集まってきている。やがて死ぬ虫たちなのである。今日も暑い1日だったが昼間のことはもう忘れ衣服の中に着たTシャツがねっとりとくっつき皮膚の一部のようになった感覚だけが残った。熱を持っている。私は今年は暑さに弱くよくめまいを起こす。昨日は休もうかと思った。しかし今週はすでに二日休む予定だからがんばって歌でも口ずさみながら会社に向かった。下を向くとげーげー吐きそうであった。天井を眺めると私自身が自転しているかのごとく梁がまわった。私は感覚の中に存在しているんだと思った。


帰りになっても雨はやまずむしろ強いから濡れるので家に帰ったら上も下も洗おうと思った。激しい雨で道路のセンターラインが消えいつもよりも慎重に運転する必要があった。音楽がうっとうしい。不意に鼻をさわると長い鼻毛が生えていて反射的に爪で挟んで抜いた。涙目になりながら私は満足した。今朝エチケットカッターで切ったばがりなのである。そんなものにも負けずにひょろりと外から挟める長さまで生えてきたことに感動をおぼえた。たまに鼻毛が試験管を洗うブラシみたいにわしゃっとなっている人がいるがあそこにエチケットカッターをつっこんだら刃こぼれするのではないかと思う。