意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

サンライズ・サンセット

仕事に復帰していきなり電話でものを頼まれ「3セットお願いします」と言われ思わず「サンライズ・サンセットね」と答えてしまった。サンライズ・サンセットは高校のときの音楽の課題曲でたしか何かのミュージカルの歌だったと思う。暗い声で「サンラーイズ・サンセット♪」と繰り返す歌である。相手は当然のように無視した。一回り以上下の若者なのだから聞こえはしても意図が汲めなかったのだろう。私は「これもオヤジギャグか」と思った。若者は自分の感性で受け止めきれないとなんでも「オヤジギャグ」とカテゴライズするがそれぞれには個別の事情があり過去があるのである。なんにせよわからないから大ざっぱになるのは仕方がない。巷ではナイトプールで空気を読まずに水しぶきをあげて泳いだ男のことがとりあげられていて周りの人はこれはオタクに違いないと言ったそうだがこれも大ざっぱなカテゴライズである。人は自分以外はみんなバカなのである。だから私としても無視されても冷静に「オヤジギャグだ」と分析する自分が最高だし気の利いた返し(それってミュージカル○○の挿入歌ですよねとか)ができない若者は最低なのである。そういえば一昨日にロープウェイに乗っていたらガイドの女にわざと難しい地名をぶつけることを趣味とする中年男が同乗しガイドが困り果てるみたいな事件があり問題は困り果てるまで追い詰めることで私の両親も妻も男のことを「ひどい」と後から言っていたが私はそれも仕事だしああいう意地悪な質問をうまくかわせて一人前ではと思って父に言ったら
「それができればロープウェイで働いてなんかいない」
と答えた。