意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

叔父の話の登場人物が多い

叔父は中古車販売業を営んでいて今日保険の手続きに行ったら相変わらず話が長い。手続きは10分と少しで終わるのにそのあと2時間くらい話す。主にこんな客がいた的な話で叔父の名誉を守るために補足するとこんなひどい客がいた的な内容ではなく見覚えのある客が「車を買い換えたい」とやってきたが誰だかわからない。一時間くらい話しても思い出せず商談もいよいよまとまってきたので仕方なく「どちらさんでしたっけ?」と訊ねると「え?」みたいな反応をされた。それは14年ぶりにやってきた客であった。職人であったが年をとり仕事もなくなったのでトラックから乗用車に買い換えようと思ったのである。そのトラックを14年前叔父のところで買ったのである。14年間まったく音沙汰もなかったが買い換えるにあたってわざわざ訪ねてきてくれたことに叔父は感激したのであった。その客には2人の子供がいて姉のほうは見たことがなかったが弟のほうは14年前は高校生であった。その辺りから一気に登場人物が増えて私もいい加減に相づちをうっていたから誰が誰だかわからなくなった。北本に住む男兄弟が出てきて弟のほうはたいそうな働き者だと言い私は「日本昔話かよ」と心の中で突っ込みを入れた。鮮魚店で働き朝は2時か3時に家を出るという。帰りは昼の3時らしいが実際は6時とかまで帰れないらしい。叔父は「金を使う暇がないなあ」とある種肯定的にとらえているようである。またそれの兄はバイクで日本全国を旅していてそれには人形を伴っていて各地の名所で一眼レフで撮影するらしい。私は昔足尾銅山でそういうのを見かけたことがあった。足尾銅山というのは実は心霊スポットらしく妻などは洞窟内で熱心に写真を撮っていたがあとで全部消してしまった。いつ行ったのか忘れたが客がほとんどおらず雨もぱらぱら降っていて雰囲気はあった。そんな中銅山の模型みたいなのがあってそれは蟻の巣の断面みたいなものでスイッチを押すと中の人形がツルハシを振るったりするが子供たちと一通り遊んだ後に離れると私たちの背中でいきなりガーガー音を立てて動き出し不気味だった。その入り口でドールの写真を熱心に撮る青年を見かけたがそれが魚屋の兄だったかはわからない。