意味をあたえる

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内臓

朝から内臓の調子が今ひとつで難儀した。起きてもずっと寝起きのように体がだるく休み明けだからなあと思ったが昼過ぎまでそのかんじが続いた。昼にはカップ焼きそばのUFOを食べたがこれも弁当を用意する元気がなかったからである。しかしこんなに内臓がイマイチなのにUFOなんて食べたら胃が大貧民の革命みたいになっちゃうんじゃないかと思ったが食べたら普通だった。食べられると安心するし普段食べている量がしんどいとかんじるといよいよ本格的な体調不良である。ここ何年かの体調不良はみんな内臓がうまく食べ物を処理できなくなったところに由来する。若いころは頭だったり喉だったりあるいは下痢だったり割合白黒はっきりした症状だったが今はどんより曇り空のようなぐあいである。ボタンのかけ違いのようなちょっとした食べ合わせだのが起因すると思われる。


叔父のところでコーヒーを飲んだが私は缶コーヒーの甘いのが大の苦手で喉や歯に残る砂糖のかんじが気持ち悪いし全体的にも気持ち悪い。しかし缶コーヒーはブラック以外はダメですさらに言えばボトル缶以外はダメですと言うタイミングを逸して今に至る。かつて叔父の店舗には道に面したところに自動販売機があってまだ子供が小さかったころに連れて行くと小銭を渡されてそれは好きなものを飲みなさいという意味だった。叔父の自動販売機はしかしまったく繁盛していないようで取り出し口には蜘蛛の巣が張っていてうえってかんじだがしかし缶だから取れさえすれば大丈夫だろうとあまり気にせず五百円玉を突っ込んだらまったく反応しない。ふざけんなと蹴りでも入れようとしたらそこにたまたま近くに住む大叔父が通りかかって「どうした?」と訊くから私はへらへらしていたら事情を察知して五百円くれた。そのときの叔父は私は子供のころから盆や正月に会う大叔父だったがびっくりするくらい痩せていていつもにこやかな人だったがにこやかなまま体型と声が二回りくらい小さくなっていてぎょっとした。私は反射的に「長くないな」と思ったが実際にそれが会話した最後だった。遠い親戚は病に伏すと早いのである。その何年か前に携帯ショップの看板に車で突っ込んだことがあったが潰れたボンネットに足を挟まれたまま身動きが取れなくなって消防隊に助け出されこれは寝たきりになっちゃうねなんて話していたら数ヶ月で元通りになってみんなが感心していたが何年か経って癌になって死んだ。