意味をあたえる

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三国志が読み終わる

だいぶ長い小説だったが三国志が読み終わりもう曹操も桃園トリオも死んで夏候淳も病死した。周楡はとっくに死んだ。みんな老いてそれぞれの国をとって落ち着いてしまい前半のようなバタバタしたかんじがない。それこそ以前取り上げたときは曹操が自分を匿ってくれた家族が曹操をもてなすために猪をばらすのを自分がバラされると勘違いして皆殺しにしたまたま酒を調達に行った主人は無事だったがあとで無残に殺された家族とあいまみえる気の毒だからとついでに殺したりまた一方の玄徳もたまたま寄った農家が貧乏でもてなすものがないからと妻を納屋で殺してその肉を振る舞い朝になってそれを知った玄徳が感激したりとわりかし読み応えがあった。戦争の話だからいつも誰かしらの首が飛んだりするが前述のエピソードにくらべればはるかに常識的で微笑ましい。


手塚治虫の「ブッダ」もブッダが悟りを開いてから話が停滞してその前よりかはつまらない。ずっと史実と戦っていて後半は特に気を遣っているような印象をもった。突然わいて出てきたサーリプッタとモッガーナはブッダのお気に入りだが読者の思い入れとしては呪われた出自に悩まされさらに唖の恋人まで殺されつつも健気にブッダに付き添うアナンダのほうがはるかに上なのにブッダは「教団の後釜はサーリプッタとモッガーナだ」と宣言して裏切られた気持ちになった。しかもこの二名はブッダよりも早く死にその死に様も「サーリプッタとモッガーナが旅先で死にました!」と手下が伝えるのみで場面の描写はない。そんな彼らなのにブッダは「ガーン」てかんじでショックを受け他にも「私はブッダの子供を孕んでいる!」と出てきた大柄の女は敵の罠だったがブッダは思い切り動揺したりと本当に悟ったのか? と思わされる。おまけに寝てばかりいたら夢に出てきたブラフマンに旅に出るよう急かされる始末。悟りを開く前の若いブッダは苦行を積んでいてあるとき立派な苦行者がどこそこにいると聞いてデーパと2人で訪ねに行くと苦行者はすでに骨だけになっていた。ハゲタカに自分の肉をつつかせる苦行をしていて命を落としたのである。デーパは「立派だ!」と感激するがブッダは疑問を抱く。デーパは十代の若者がロックに心酔するみたいに苦行に見入ってそういう人は往々にして死を過小評価するのである。私は三国志の後半にブッダの後半を重ね合わせた。


そういえば昔に教育テレビで「人形三国志」というのがやっていて文字通り人形劇だったが私がおぼえているのは孔明の声を森本レオがやっていてナビゲーターを若いころの島田紳助松本竜助がやっていたことくらいでほとんど見なかったが今見たい。私の弟は昔トークにかんしては島田紳助を師とあおいでいて当時中学生で高校入試の面接で「尊敬する人はゴーダマ・シッダルタブッダのこと)です」と答えたらしい。一方の私のトークの師は誰かと風呂で考えたがそれは米米CLUBカールスモーキー石井です。