意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

カラスの横断

数日前に橋を渡っていたら(私は毎朝荒川という川を渡って会社に行くのだがその橋は途中で大きく左にカーブしていてそれを曲がりきった地点でカラスの群れが羽根を広げてそれを縦方向に立てて風に乗るように私の前を横切った。そのうちの何匹かは白い糞を噴出しそれはまるで雪のようであったから私は
「雪のようだ」
と思った。私の車の前を横切ったから私の車が糞を浴びることはなかった。私の車は白で製造からもうすぐ10年が経つが私が乗ったのはそのうち5年で中古である。中古というのは私の購入時という意味で今は何にしたって中古である。元は友達が乗っていたやつで中に中古車屋をやっている叔父が入ったが私の払った代金がそのまま友達の新車の頭金になった。友達はスバルのブルーの天井の低い車に乗っている。とても目立つ車である。


私は上記の中古車をローンを組んで買ったがそれが夏に払い終わった。裏表がぺりっと剥がれるタイプのハガキにローンの明細が最初に送られてきて一月払い終わると妻がピンクの蛍光ペンで当該箇所に線を引いた。6月と12月は黄色でそれはボーナス払いのところであった。私の会社はボーナスは一応あるが遅めで最初の数年は直前になって「ボーナスは金曜」みたいなことを言い出すから妻はヤキモキして私に「いつなんだ」としつこく訊いた。私はなんとなく私が侮辱されたような気がして「出るとは限らない。ボーナスとはそういうものだがら」と言ったりしたが出なかったことはない。良い会社なのかもしれない。しかし遅めなのでローンの引き落としに間に合うことはなかった。


ところで個人情報やデリケートな情報を隠す表裏がぺりっとめくれるハガキはたまにめくれるのが表だけ・裏だけのパターンがあるが私は常に表裏を剥がしてそうすると剥がすべきでない面は紙を破いたみたいに繊維が逆立って絨毯みたいなかんじになって「ああ間違えた」と思う。しかし片面のみめくるなんて気持ち悪くてできるわけない)