意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

知ってる歌

甥が台所でテレビを見ている。私は今日は仕事を休んでいてそれは夕暮れのことであった。その少し前に妻から電話があって妹が泊まりにくると伝えた。いるのは2歳の甥だけだった。私は帰った。甥の母親はしまむらに行ったという。義母もついて行ったのかもしれない。不思議に思ったが特に騒いでいないのでそのままリビングに行ってぼんやりした。昼間は衣替えを実行し私の場合夏服と冬服が冬服の方がボリュームあるので夏はいくらか冬服をタンスに残してクローゼットにしまうのだがたしかにタンスに入っていた分をしまったはずなのに今日夏服を全部だして入れたら入り切らなくて夏の間に冬服が増殖したのかしらなんて思った。確かにこの前いきなり冷えたから慌ててフリースを羽織ったら妻に
「私のだ」
と言われて最初は違うと思ったら似たようなのが後から出てきて結局妻のだったから色んなものをクローゼットに詰めてしまったようだ。


やがて義父がトイレから出てきて甥はそのままひとりでEテレを見ていたが私は隣の部屋にいたから音だけ聞こえてきてEテレはよく洋楽をアレンジして子供向けにして流したりするがそれが中途半端に知っているメロディーで思い出せなくてイライラした。若いころは音楽を節操なく聞いてしまったため知っているメロディーが増えそのため街中でも「知っているのに思い出せない」ということが多くて正直音楽を聞くときに恐怖をおぼえることがある。居酒屋だとよくジャズがかかっていてジャズだと同じ曲を違う人が演奏していて「あー知ってるな」というのがある。なんだっけと思っていると「キャラバン」のことが多い。あと雑貨屋などはボサノバが多いが私はボサノバはあまり聞かなかったので思い出す作業に追われることがないから気楽だった。


逆にメロディーだけがいつまでも頭の中に残っていてそれを友達とかに「この歌なんだっけ?」と歌ってみせても「聞いたことがない」と言われる曲が2曲ある。