意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

初恋は何度でも

また初恋の人が出てくる夢を見た 5時20分に目が覚めてまた寝たら6時に起きてその間に見た夢だ 私たちは自転車に乗って小学校時代のかつての通学路を逆向きに走っていた 逆向きというのは学校から家に向かってということである さらに言うなら私の通学路で彼女の通学路はどこだったか知らない 彼女は私よりも学校から遠くに住んでいた 土手に近い場所だったと記憶する 私の通学路の途中にグラウンドがあってどうにかそこに誘い込んで砂の上をぐるぐる回れば少しでも時間が稼げると思ったがうまくいかなかった 彼女は全体的につれない態度だった 私に気がないのは明らかでそれでもそれに気づかないふりをしてわざと大声で「マジかよ」とリアクションしたりするのは間抜けだった この年になってこんな会話をしなければならないのが情けなかった 何かの会話で私は

「5年前って言ったらまだ中学生だよ」

と言ったがハタチのつもりでいる自分に驚いた それでも彼女の反応はうすい それまで彼女は私の娘とカルタだかで遊んでいてそれを無理に連れ出したのだった 彼女が赤い自転車に乗って私の前を走り私は彼女のふくらはぎを眺めていた ジーンズ地のハーフパンツを履いていた そういえば長い距離を歩く女だった 私は小学校一年のときがモテ期でよくたくさんの女子と一緒に道に広がって帰り上級生に

「女の中に男がひとり」

とからかわれた それも確かグラウンドの前だった 夏になるとそこで球技大会が行われた 砂利の駐車場に露店が出ていてカキ氷を食べた記憶がある 女子の中に彼女はいたのだろうか 彼女は中学に上がるとソフトボール部に入ったらしい