意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

みどりのところ

子供を駅まで迎えに行くとき子供と妻は通称「みどりのところ」で待ち合わせるらしい 昨晩は急遽私が行くことになったら子供はすでに「みどりのところ」にいるらしい 妻に確認するが「しまむらの手前が」と要領を得ない そもそも何がみどりなのか緑色の目印を「みどりのところ」と呼んでいるのではないか ならばその緑を共有させてほしい その旨をもっと噛み砕いて伝えるが妻は「みどりのところ」のどこが緑なのか忘れてしまったのだ そんなことがあるのかと思うが目的地はイメージできても道順が説明できない的なものだろうか 究極の記号化というやつだろうか 緑という言葉を記憶すれば緑色のものはすべて消去して差し支えないということだ


今時の人ならスマホの地図でとかできるかもしれないが子はすでに待っていると言うしまどろっこしいので
「とりあえず行って探してみる」
と言い残し家を出た 結局得た情報はロータリーじゃないということだ 妻が子に「パパはみどりのところわかってないから工夫しなさいよ」と怒っている声を背中に聞きながら家を出た みどりのところはすぐにわかった 不動産屋の建物とその前の自動販売機が緑色なのだ 「みどりみどり」と唱えているとこんな大きなものも忘れてしまうのだ