意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

悲しい

午前は亡き叔父の工場で妻の車のタイヤを替えた 叔父の倅がリフトを操作し私や私の家族の車が上下した コンプレッサーでタイヤのナットをゆるめるのだが力が弱いらしくあらかじめ手でゆるめてから改めて機械でとっていた 手でゆるめられるのなら機械いらないのでは? と突っ込みを入れたかったが男たちの力自慢大会はほのぼのとしていて良かった 倅というのは二人いて弟のほうがひょろっとしているから標的になりやすかった 特別固いのがあると「俺が締めたやつか?」と父が嬉しそうにした 父は叔父の兄である 前回はリフトの下に換え終わったタイヤをおきざりにしたまま下ろして愛車のバンパーをへこませそれでも「弟がちょっかいをかけてくる」と嬉しそうであった 父の幅寄せの精度に年をかんじる 和気あいあいとしているかんじは本当の親子にも見えた 普段の家族には見られない素朴さがあった


弟が先に死ぬパターンで思い出すのは五木寛之五木寛之の「生きるヒント」で弟が先に死んだことが書いてあって当時自分の弟に置き換えてもみたが実感はなかった 私はまだ十代だった


午後に美容院へ行き帰りにホームセンターに寄って3000円ほど買い物し混んでいるレジに並んだらバイトの男のやる気のなさが半端なくて(このまま番が来なければいいのに)と陰鬱な気持ちになった 商品を雑に袋に詰める様に客が怒るのではないかとヒヤヒヤした 彼の態度に客のほうが申しわけなさそうにしていた 何が彼の心をここまですり減らせてしまったのか悲しい気持ちになった アルバイトには心を無にして臨んでいるのかもしれないがそれでも人生の何万分の一である それがここまで後ろ向きな態度になってしまうのは心が痛む 人生には雨もくもりもあるだろうが天気の悪い日は家でじっとしていてもらいたい


時給が上がればもっとハッピーになるのだろうか