意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

竹馬に乗って足をくじく

いてえ 房総半島にある自然公園にきた 武家屋敷があって外は暑いのに建物に入るとひんやりして思わず
「さみい」
とつぶやいたらそこの女主人に
「冬はもっと寒いですよ」
と注意された 商店だから入り口をおおっぴらに開けとかなければならずだから寒いのだ 真夏にクーラーをかけっぱなしにしている商店もあるが戸も閉めずに電気ばかりたれ流すように使ってどうにかならないかと思う 消費者がバカだからいけないのか 目につきやすいものばかりが手に取られ流通するのがいけない エネルギーの無駄遣いが破滅を招くのだとするなら本能というものは破滅のほうを向いていると言わざるをえない


私は武家屋敷で畳のコースターをつくった


その後昔の遊びコーナーで竹馬があったから少し練習した 子供の頃父親に作ってもらったが確かそのときは古くなった物干し竿に竹で足場を作って荒縄で結んだ物だったと記憶する しかしちっともうまくならないからすぐに投げた気がする 補助のかわりにバケツを逆さにして即席の発射台としてそこに足場をかけてまずは安定した状態でスタートさせるという父のアイディアがまずかったと今になって思う なぜなら両足をどれだけ足場に載せられるかを我慢するのが肝であり二点しかない接地面をキープするためには重心の移動にあわせて動く必要がありつまり粘っているうちに動きのコツをつかむはずなのである


その仮説を証明するために家族に揶揄されながらも辛抱強くトライしていたら段々と歩けるようになってきた そう思った瞬間に足場を踏み外し思い切り足をくじいてしまった 元々私は内股気味なので歩いているだけでよく足をくじいたが最近はめっきりなかったので久しぶりだったので悶絶して息も絶え絶えベンチまで歩いてしばらくそこから動くことができなかった 隣で妻が「昔の遊びをしていればスマホなんていらない」とか話してきたが無視した そのうちに子供たちが屋敷の二階に上がって窓から手を振ってきたので私も振り返した 手は無事だったのである


足をくじくと言えば私の中ではハウス食品劇場の「愛の若草物語」で長女のメグが意中の人と舞踏会でダンスするが途中で足をくじいて踊れなくなって残念、みたいなエピソードを思い出し当時の私は「足をくじいたくらいで踊れなくなるか?」と不思議だったがその頃は子供で筋肉も柔らかかったからちょっとひねったくらいではなんともなかったのである