意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

近所で火事が

火事を間近で見るのは二回目で一度目は中学のとき帰り道のとちゅうで家が燃えているのを友達と自転車にもたれながら見た 春先でまだ中学に入学して間もないころでまだ部活が始まっていなくて土曜の昼下がりにはもう家に帰れたからそこを通りかかった 5月の連休明けから部活動が始まってほとんどの生徒は土曜の昼に授業が終わっても家に帰らずに部活動に参加した 私はそれがイヤでいつのころか気が向いたときにしか参加しなくなった 気が向いたなんて書くとすごく不良っぽいが私は毎度誰かに咎められるんじゃないかとヒヤヒヤした だからいちばん嬉しいのは雨が降ることだった 雨でも室内で筋トレなどをする部活もあったが私が所属したところは比較的ゆるくて雨だと休みになってしまうことが多かった 休みにならないときもあったがそんなときでもとぼけて帰ってしまった 一緒に火事を見た友達はバスケ部に入ると決めていて私はしつこく誘われたが断り本当に断って良かったと後から思った バスケ部なら始終屋根があるから雨だからと帰れないしそれでも土曜がしんどくて帰りたくなっても友達がいたらいちいち言い合いをして帰らなければならないのは憂鬱だ あるいは私はバスケに熱中したのだろうか 中学に入るまで私はそこまで部活動を毛嫌いして昼間はとにかく夕方以降や休みに学校にいなければならないことに我慢ならない性質だなんてまったく思わなかった 居心地が悪いとすぐに退散するのは大人になっても変わらずあるとき派遣で行っていた会社で夏祭りみたいな行事があって社員には派遣も含めてビール引換券をもらったが私はまっすぐ家に帰った 私はビールもそこで働く人もそこまで嫌いではなかったがどうせ話す相手もいなくてぬるいビールをちびちびやるのなんて絶対に堪えられなかった そんな私でも飲み会などで急に姿を消す人を奇妙に思ったりあるいは怒りを感じたりするから不思議だ