意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

学食

ひさしぶりにひとりで外食したらチェーンの天丼屋だったが小ぶりな味噌汁茶わんを見ながらふと大学時代の学食のことを思い出した 私は大学時代友だちがほとんどいなかったから昼もたいていひとりで食べていたのである


大学の学食は3つあって第一学食はカフェテリア形式の(カフェテリアって言葉がいまだにわからない)オシャレな内装の学食だった 第三学食はいちばん広くて運動部の集団だのが騒ぎながら食べており雰囲気は明るい そして第二学食はちょうど第一学食の下にあって(第一学食は二階)日当たりが悪くて人気がなかった とうぜん私は第二学食でばかり昼を済ますようになった 第二は生徒だけでなく作業服を来たどっかの業者の人の姿もよく見た 私はカツ丼と焼き肉丼を好んで食べた 410円だったと記憶する しばらく通うとひとり新しい人(中年の女)が入ってきて周りにいろいろ指導する姿が厨房の奥に見えた 私はカウンターで空のお盆を持ちながらその様子を眺めた それが半年一年するとすっかり溶け込んで一戦力になった まるで植物の成長のようだと思った 


あるときその女と同じ電車に乗る機会があったが当然女はいつもの割烹着姿でなかったため私は正面に座るこの女が誰だかわからずかなり混乱した 見覚えがありかつ私には中年の女の知り合いなんてほとんどいないのに誰だかわからない どこかの有名人に似ている可能性や脳のバグの可能性も疑った 最終的に「食堂の女か」と思いいたったときはかなり疲労していた