意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

固形の暑さ

昨日の暑さは少し変だったんだ 私の寝ている部屋にはクーラーはなく厳密に言うと隣室にクーラーがあって開いたふすまのところから冷気を入れる仕組み そのため冷却効率は悪いが暑くて眠れないということはなかった しかしここ最近の暑さ なにせうちは20Aしかないから風呂に入っている間に部屋を冷やしておくなんてできない 実家も私が子供のころは20Aだったが家を増築した際に50になったからブレーカーが落ちるなんてことはなかった 増築部分は3兄弟のそれぞれの部屋になったが大叔母が各部屋にエアコンをプレゼントしてくれた 大叔母は母の叔母でありそのため父は「クレイジーだ」みたいな反応を影でしたが表には出さなかった その大叔母も最後は施設で死んでしまったし私は今は20Aだ 聞けば妹の部屋のエアコンも壊れたらしい


とにかく部屋をあらかじめ冷やしておくことができないので風呂上がりにエアコンをつけると暑くてしかたがないから窓でもあけたほうが余程マシに思える 網戸のそばでじっと風を待っていると背中の固い昆虫にでもなったような気分だ 風はふくのである じとっとして生ぬるいがそれでもエアコンの人工的な風よりもずっと涼しい気がする エアコンというのは部屋に入ったときに「涼しい!」とならなければ動いていないのと同じだ しかしそれでもエアコンのほうが涼しいのは明らかだから風呂上がりの体もそのうちさめるだろうと思い扇風機の風を強にして体にあてながら本を読んだら眠くなった 扇風機も昨年妻が分解してから調子が悪い どこかのワッシャーの順番を間違えたのか弱だと回り始まらず強でも中くらいの強さにしかならない 扇風機ってこんなに弱っちかったっけと思う 子供のころの強はカレンダーがめくれて画鋲がとれて飛んでいってしまった あるいはそれは2ヶ月で一枚のタイプだったせい


横になると背中に箱を乗せられたような暑さをかんじ私はうつぶせに寝ていた 完全にうつぶせというわけではなく上半身は横向で下に向かってひねるようにうつぶせになるのが私のスタイルだ 固形の暑さをかんじもう片方の部屋を行ったりきたりした 夏はつづく