意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

途中式(ハンターハンター)

ハンターハンターの新刊が出るという話を書いたがネットで以前の話が無料公開されていたのでむさぼるように読んだ 私はいつも単行本で読むのだが公開されていたのは雑誌の連載単位で区切られていてそういう読み方をすると毎回次に読むのが待ち遠しくなるような終わり方をしていることに気づいた 単行本で読むとそういうことにはまったく気づかないので新鮮だった 単行本でも区切られているが区切られていてもそこで読むのをやめるわけがないので一つながりの話なのである おおよその内容はわかっているから楽しめることはわかっていた 私は知らない話を読むより知っている話を読む方が好きなのである しかしそれでも飽きるから新しい話も読まなければならないのである ハンターハンターの最近の話はネットでは不評だが私はかなり面白いと思う


逆につまらなかったのはゴンとキルアの前に強い敵が立ちはだかるときに通せんぼしてくるのだがとても素早い動きを強調するために足元から煙が出ているシーンだ 煙が出るのは素早い動きで地面と靴底にとてつもない摩擦が生じたことによる熱による煙なのだが相手の底のない強さの暗示であるがいかにも少年誌というかんじがして恥ずかしくなる 少年誌の連載だから変ではないのかもしれないが過剰に複雑な人間模様や舞台設定に比べればアンバランスである 時たまそういう演出が出てきてそのたびに私は「あーもう」という気になる そういえば何年か前の映画も死ぬほどつまらなかったがそれはやはり愛や根性ばかりが強調され理屈が少なかったからだった 私が好きなのはただのモブキャラだった女中が急にすらすらと第一王子ではなく第三王子に電話をつないだ理由を説明しだしてそれが不自然なほど理にかなっているというぶぶんなのだ かなり倒錯した世界なのである