意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

鬼滅の刃読んでます

お金がないから少しずつ購入して読んでいる。面白い。呼吸がどうとかというところは、流し読みしている。柱と呼ばれる人たちのキャラがいかにも漫画っぽくてシラケるが、各々倒錯しているかんじが鬼を憎み続けるにはまともな神経じゃやってられないっていう風にもとれて、リアルである。

割と各々のやりとりのとぼけたかんじも好きである。いちばん面白いのは、悪の大将が失敗した部下をなじるシーンである。昔から悪が恐怖で縛るというのはあるが、うまい具合にアップデートされていて、現代のブラック企業感がよく出ている。あるいはカルト宗教か。反抗や愚痴を言う部下よりも、自分に心酔する者を取り立てるなんて、およそ実力主義とは程遠い。ブラック企業ってそんなものなのか。鬼の女の石が悪の大将のことを「臆病者」と評していたが、ブラック企業の大将もそんなものなのかもしれない。本当の実力者とは、相手の実力を認められる人であるというのは、一般論だが現実はなかなかそうはいかないのである。

対して善の親玉は一部の鬼は存在を認めるという提案を頑なに拒否する柱の人を否定せず、現代の教育者というかんじがした。こんな人になりたいものである。私は詰められる鬼の中間管理職の人が不憫に思ったが、一方で心のどこかでゾクゾクっとした。