実際靴を脱いで確かめてみると、爪が割れて生地にひっかかっているということは全くなかった。
ところでひとりで作業をしているとき、私の会社では好きな音楽を聞いてもいいということになっていて、ひとりでない方の部屋ではラジオがかけられている。だからひとりの作業でもラジオを聴く人もいるが、私はやはり誰かの喋り声では、機会など動かしたときに聞き逃すのが嫌なので音楽を聞いている。iPhoneをスピーカーにつないで再生している。少し前に私は端末に入っている全曲をシャッフルで聞くというのをやっていて、実は全曲ではないが全部で800曲弱を一気に聴く。JPOPを中心に重複している曲や気に入らないのを外して行ったら、それくらいの数になった。ところが途中でだんだんと飽きてきてしまい、インストだとかジャズだとかピアノのソロだとかそういうのが聴きたくてたまらなくなってしまった。しかし私はこの800曲を全て聞かなければならないような決まりがいつのまにか自分の中にできてしまい、誰かに宣言したわけでもないのにそんなのを守るのは滑稽だ。
そういうわけで、今日ついにラストの曲が再生され、もちろん何が最後なのかは知らないので終わりは突然訪れた。最後の曲は20歳くらいのころによく聞いた曲で、私はその歌詞が気に入っており、どちらかと言えば意味のよくわからない内容であり、ミュージシャンというのは長く続けると段々と意味の通らない詞を書くもんだと、今日は思った。20歳のときは、もっとよく意味を理解していた。