意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

黒い雲

黒い雲だなあと家を出たときに思っていて、しかし私は腹が減っていたので本屋にでもいこうと思い家を出て、ショッピングモールの周囲はものすごく渋滞をしていて、駐車場も満杯だったら帰ろうと思っていたら、駐車場はそれほどでもなかった。
そして本を買い、店を出ようと思ったらものすごく雨が降っていた。今も降っている。私は雨があまりにも酷いので、あやうくガルシアマルケス百年の孤独」を買いそうになった。ガルシアマルケスは冒頭のみ知っていて、誰だかわかんないけど主人公が銃殺隊の前に引きずり出されて、そのとき何かを思い出す。何か、というのは本文ではそのように別にもったいぶった書き方がされているわけではなく、単に私が忘れただけだ。誰だかわかんない、というのもしっかり名付けられているので、これから読みたいと思う人は、安心して購入に踏み切ってほしい。ただ、登場人物は多いときく。

同じような感じの話では、中上健次の「枯木灘」という話があり、こちらは私は読んだ。というか、中上健次はガルシアマルケスに影響を受けている。あるいは、ガルシアマルケスが影響を受けたのかもしれない。私は、しかしながら、さっきから雨が気になっていて、文章に集中できない。弱くなったら帰ろうと思っているからだ。さっきすこし弱くなってきていて、そのとき私の周りにいた雨宿りの人々は、一斉にかけていった。私は相対的な話で、確かに先ほどよりかは弱くなったかもしれないが、以前として雨は強いぞ、と冷静に分析していたからとどまった。しかし、私は濡れたとしてもてんで困ることはなかった。バッグが濡れてしまうのは嫌だが、これは拭けば良い。そして、家に帰ったらすぐに風呂に入ってしまえば良いのだ。風呂はいいや、夏場だからシャワーだけで良い。

集団の中には、必ず道化役が一人いる。
さっき私の前を高校生の三人組が通りかかり、しかし今もすぐそばにいる。よく見ると大学生かもしれない。ドイツ語の話をしているからだ。どちらにせよあまりに垢抜けていないからだ。ニキビ面がアレである。そのうちの1人が、さっき私の前を通る際に「ミスドちょうくいてえ」と言っていた。それだけで、私は彼がこの集団における道化役だと見抜き、それは良い集団だとわかった。こんな風に言うと、私がものすごい目利きに見えてしまうが、じっさいはそうではない。細くすると、ミスドは隣の店舗にあり、彼らはその店舗の方から歩いてやってきたのだ。だから、歩いてきた方向へ戻ろうと意思表明したのが滑稽なのである。

雨がさっきより強くなった。