意味をあたえる

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2階のタンポン

私が2階に上がってすぐのところにトイレはあり、そこで私は小便のときは立ってするから目に入らないが、大便のときにふと目をやると窓の前にはタンポンの箱が置いてあってそれは妻のものだ。

私は大便の度に、その箱に書かれている注意書きを読んでしまい、私は男だからタンポンなんてそういうものがあるくらいにしか思っていなかったが、タンポンとひと口に言っても色々タイプがあり、ちなみにそこにあったのは上から2番目に吸収率の良い「スーパー」というタイプだった。その文字のすぐそばには
「さらに不安な人は……」
と、上位互換のタイプもしっかり説明されている。説明と言えばこの箱の側面裏面は説明ばかりだが、タンポンのアプリケーターは実際は白色なのだが、説明のために箱上では透明になっている。なぜそんなことがわかるのかと言えば、もちろんそういう説明書きもされているからだ。

2階と言えば、私が生まれ育った家は、私が中学まで平屋で2階はなかった。1階しかなかったから、容易に屋根に上がることができ、確か小学3年か4年の頃だが、友達に誘われて自分の家の屋根に登った。そのときは私の家にあった脚立を目一杯伸ばして立てかけたのだが、脚立は思いのほか短くて屋根に届かなかった。私は店かどこかで、もっと長い脚立というのも見たことがあったから、そういう脚立が家にあればいいのにと思った。しかし実のところは、届かなくてほっとしていた。しかしそんな私の心境を無視して友人は次の作戦を思いつき、それは私の家の横にはガレージが隣接されていて、それはガレージではあるが、実際は物置として利用されており、中にはジャガイモだとか、それと父のオートバイもあった。私は父がオートバイに乗っているところは1度しか見たことがない。それはとても幼い頃で、仕事へ行く父を送ったときの記憶で、そういうことは何度も繰り返されたのだろうが、私が覚えているのは1度きりなのだ。小雨が降っていた。父を送る前には茶の間で食卓を囲みながら、私はマジンガーZの再放送を見ていた。マジンガーZは空を飛ぶ際には羽を腰の部分につけるのだが、私としては背中の肩甲骨のあたりにつけたほうが格好いいので気に食わなかった。そのとき私はアジの開きを食べていた。

アジの開きといえば、いつだったか欽ちゃんの仮装大賞でそういうネタをやった子供がいて、
「アッジ、アッジ、アッジ、アッジ、、、アジの、、、開き!」
と歌いながら登場し、登場するときはまだ開かれる前で、「開き!」の部分でぱかっと開く。それが意外とグロテスクで、演者の顔の部分にも背骨のペイントが施されていて、私は少し気持ち悪かった。

友達の提案した作戦とは、ガレージの方が屋根が低いからまずはそちらに登り、それから脚立を引き上げて、家の屋根に移るというものだった。ガレージの屋根はトタンで、トタンの上は熱く、私はもうたくさんだと思った。それから屋根の上に移り、そこで何をしたのかは忘れたが、降りようということになったら、友達は面倒臭くなったのか屋根から直接地面に飛び降り、私は骨でも折れたかと思ったが普通にしており私にも飛び降りろと命じたが、私にはそんな勇気はなかった。超合金魂 GX-01R(40th Anniv.) マジンガーZ (超合金40周年記念Ver.)