意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

その人はどのくらいギターがうまいか

今朝、テレビを観ていたら、まずその前にネモちゃんが思いの外早起きしたので速やかに「プリキュア」に促し、テレビを点けたらまだ仮面ライダーだったのだが、ドア銃という新しい武器を手にしたライダー。ところが何故か思うように弾が発射されず、開発者に
「どういうことだ!?」
と聞いたら
「半ドアよ!!」
だって。博士は女。私は食べていた食パンを噴き出しそうになってしまった。その間も怪人の攻撃は継続しているのに、何をのほほんとしているのだろうか。

その後プリキュアも終わり、チャンネルはそのまま「題名のない音楽会」を見ていたが、この番組は私が子供の頃からやっている。同じく子供のころやっていた「遠くへ行きたい」はとっくに終わったし、特に見てもいなかったのに、主題歌はなんとなく歌える。

それで、題名のない音楽会はアラ還素人ギタリスト特集、というのがやっていて、2人出ていて後の方のひとはタクシードライバーでまだまともそうだったが、先の人がちょっと普通じゃない雰囲気の、ギターが弾けるから市民権を得ているタイプというか、演奏の合間に話をするのだが、方言かなんなのか、とにかく何を喋っているのか、単語一つも聞き取れない。私はとても好感を持ったことは言うまでもない。

それで先ほどネモちゃんを風呂に入れながら、
「今日の人、ギターうまかったなあ」
と言っていると、風呂は沸かしたばかりでまだ熱く、それは今日は義父が飲み会に行ったから、風呂を沸かしたのが私だったからである。そうしたらネモちゃんが「どのくらい上手いのか」と聞くから、私はなんと言っていいのかわからず、
「牛100頭ぶんくらいかなあ」
と答えたら、
「それは大きさの単位だろ」
と怒られた。しかし、うまい下手について言葉で表すのは難しいし、「夏の雑木林の中を四時起きで歩くような爽やかさ」とか言ったって、実際の感情からはどんどん遠ざかる。だから私は
「そう簡単には伝えられない」
と言ったら
「例えば芸能人さんのギターより上手いとかあるじゃない」
と言ってくるので、ああそういうのでいいのか、と思ったが、それよりも「芸能人さん」と、いつのまにテレビの人に敬意を表するようになったのか、私はそれが気になってしまった。