意味をあたえる

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「仕事は一回でおぼえろ」は誰が言い出したのか

午前中思いのほか忙しくて、仕事が、ついついあれこれ考えてしまい、私は「仕事は一度でおぼえろ」否定派なのだが、どっちがどっちだかよくわからなくなった。

私は以前も主張したとおり、新人はメモをとるべきではないと思っているから、メモをとっていけないのなら、その人に「一度でおぼえろ」と言うのは酷だと思う。しかし、なんとか、だから、なんとかと言わざるを得ない、みたいな思考の流れって好きじゃない。というかそれは思考ですらない。以前こう考えたからこうだ、とかあと私がイヤなのは「私はこういう人だから」みたいな主張の人である。自分がどんな人間だかわかる、と思うのは傲慢だ、とこういう人を見ると思えてくる。

だから私は一度新人はやはりメモをとるべきだと思わなければならないが、それはちょっと面倒だから保留にして、今の職場の後輩とか何人か見たが、何故か、「一度聞いたことは再び聞いてはいけない」と思いこんでいる節がある。そういう人は聞く勇気を持てずに、仕事を進め、大失敗をする。それで怒られてますます萎縮する。考えてみれば、私もそうだった。一体誰が最初に「同じことを聞くな」と言い出したのか。教える方だって完璧じゃないんだから、もう一度教えるチャンスがほしい。

私が最初に就職した職場は、事務所に常勤で三人しかおらず、来客も多かったから、最初に、
「忙しいから早口で教えるから、わからなかったらまた聞け」
と言われた。今でも私はそれを覚えているのだから、それをお手本にすればいいのだ。しかし、残念なことに今の職場は忙しくない。一方でもう一人の人は典型的な「一回きり」の人で、前述の人が休みの時に嫌々聞いたら、ものすごく不機嫌そうな顔をして
「今からやってみせるから、それで覚えて」
と言ってぱぱっとやってるから、私はムカついたが、また不機嫌そうにされるのも不愉快だから、必死に覚えた。メモもとったかもしれない。だから、そう考えると、「一回切り」というのは、新人に緊張感を持たせるため、という目的があって、決して間違った思想ではないのかもしれない。でも私はその後、仕事をどんどん覚え、結果的にその人を追い出してしまった。やはり今の会社は身内でも食うか食われるかだから、後輩には優しくした方がいいのかもしれない。

食うか食われるかは、冗談だが、やはり私はリラックスしているときが一番良いパフォーマンスを発揮できると思っているから、少なくともその人のことを思って叱る、なんてことはしない。良い顔ばかりでは仕方ない、という意見もあるが、幸いなことに私の職場では私以外は怖いらしく、ぷりぷりしている場面もよく見るから、私があえて怒る必要はないのである。

なんて締めると聖人君子みたいになってしまうから付け加えるが、私が怒るのはその人がムカついた時である。あと嫌いな人にはやはり不機嫌に接する。だから、新人は媚びるのが上手な人が望ましい。