今日は午前中が低調だった。しかし、午後から高調になったわけではなかった。午前中は比較的機嫌が悪かった。仕事にはやってきたが、椅子に座って、ずっとぼんやりしているつもりだった。岡本かの子の続きを読もうと思った。「鮨」という短編の途中なのだ。しかし仕事をした。
帰りがけにタマノ氏が、
「恥ずかしい話なんだけど」
と声をかけてきた。声を潜めて。私は聞きたくないなあ、と思った。最初はGさんの悪口だと思ったからだ。Gさんがいなくなったとたん、しゃべりだしたからだ。そうしたら、
「ハシノ女史が今朝、僕が外で煙草を吸っていたら、向こうから走ってきてさ、緑のレギンスを履いて、それがぴっちりしててさ。それ見てたらチンコたっちゃった」
という内容だった。ところで、ここに出てくる名前は仮名だが、いちいち考えるのが億劫だ。アルファベットにする手もあるが、スマホだと、けー、とか、じー、は変換できるが、わい、とか出ない文字もある。しかし、今は出た。私は頭がおかしくなったのか。とにかく、私は億劫だ。なので、本名をそのまま使っていると思って読んでください。
H女史は既婚である。ちなみに、Tが「恥ずかしい」と言ったのは、勃起したことではなく、H女史は顔はそれほどなのに、ムラムラしてしまったことに対してである。だから、相手が営業の坂本さんだとしたら、恥ずかしくなんかなく、むしろのけぞって自分のシンボルを強調したに違いない。彼は猿なのだ。坂本さんは、平成生まれである。
話はぜんぜん変わるが、今朝、タンクローリーのような車の後ろを走った。タンクの部分がぴかぴかに磨かれていて、鏡のようであり、後ろを走る私の車がうつり、さらに運転する私もうつったから、かなりぴかぴかであった。タンクは円筒形をして、少し膨らんでいるから、街路樹とか電柱が、おつまみのチーズ鱈のようにくにゃっと曲がって、中心に吸い込まれていく。まるで掃除機のようである。あまり夢中になって見ていると、自分の車が高速でバックしているような錯覚をする。
過去に一度、そういうトラックの後ろを走ったことがあり、そのとき、表示を見たら中身は牛乳であった。やはり、人の口に入るものだから、ぴかぴかのタンクにして、清潔さをアピールしたいんだろう、と私は解釈した。しかし、今朝のトラックは、ナンバーの横に「毒」と書かれた正方形の看板が貼られており、私は度肝を抜かれた。よくガソリンスタンドの軽トラなんかに、貼ってある「危」と同じ種類のものである。中身は「苛性ソーダ」であった。外見がきれいだとしても、中身はわからない、という教訓てある。これは、先ほどのH女史の話にも通じないだろうか?