意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

年額いくらは無駄な考え方

ふだんappleミュージックで音楽を聴いているが、どうにも使い心地が悪く、困ったもんだ。私は最初はなるべくデータを消費したくないから、アルバムをいくつか端末にダウンロードしようとしたが、それがうまく行くときと行かないときがある。逆に、これはローカルに保存するまでもない、しかし繰り返し聞きたい、などと思うアルバムなどもあるから、そういう場合はチェックマークをクリックすればマイミュージックに登録されるので登録するが、それがたまにローカル環境で聞けたりする。それは別に困ったことではないが、困るのは、それでストレージを食うから、空き容量がギリチョンになってなんだか私の端末の挙動がおかしい。私がiPhone5という古い機種を使っているからかしら。それでだいたいの説明はつくのかもしれないが、そうだとしたらむやみやたらにOSのアップデートを促すべきではないのではないか。あとホームボタンの効きが悪いが、これは元からだ。

だから最近Googleプレイミュージックに乗り換えようか考え出したが、そうするといよいよ私のサブ端末であるiPhoneの用途がなくなって、部屋の隅でホコリをかぶってしまう。それでもいいか。売ればいいのだろうが、一年くらい前に売ったときは思ったよりも全然安くて、そこにいたるまでも、なにやら個人情報が抜き取られるどうこう問題で、それを防ぐためにデータを全部上書きするために、ひたすら部屋の天井を撮影したりとか、そういうのが死ぬほどめんどい。撮影について言い出したのは妻で、私は妻よりかはリテラシーがあるから、上書きの効能についてはある程度理解できるし、しかしそうまでして防ぎたい個人情報ってなんだろう。例えばパスワード抜き取られる、とかなら変えちゃった方が早いのではないか。クレジットカードなら実際被害にあってから手を打っても間に合いそうだ。そういう悪い人からしたら、何も得られないリスクをおかしてまで、わざわざ死んだデータを復旧するメリットはなんなのか。そう考えると、よくある買い取り店の
「責任を持ってデータは消去します」
に乗っかってしまっても、そこまで愚かでもない気がする。

テレビがすべて悪い。妻は上記の私の理屈を半分も理解できない、あるいは理解しようともしないが、それでも私の態度に、打算の影に隠れた“真の誠実さ“の気配を感じ取り、
「じゃあ任せるよ」
との言質を取れたかもしれない。しかしテレビがすべてダメにした。どうやら数日前に、個人情報流出の怖さ、という特集が組まれていて、そこでデータを消去するだけでは、プロのハッカーがいとも簡単に復旧し、丸裸にされてしまう。それを防ぐにはデータ容量がいっぱいになるまで家の天井を撮影してください。とやっていたらしい。どうして天井なのかと言えば、端末を上に向けることで、テレビ等の電波を積極的に浴びさせ、それがデータの消去に一役買うらしい。あと、私の家は木目の天井で、微弱ながらもマイナスイオンが出ているから癒やしの効果があるらしい。

だからiPhoneを売ることに私はどうしても抵抗があり、そうは思いながらもGoogleプレイミュージックを調べたらなんと10月までに加入すれば永年200円引きということで、私は自分の無知を恥じた。そしてそれを会社の後輩に言ったら、
「いや、でも200円じゃないですかw」
と言ってきたので、この人は独身だからこんな無責任なことを言えるのだろうと私は思い、
「でも年額にしたら2000円以上だぜ?」
と答えたら後輩は黙った。しかしその瞬間私は自分の発言の無意味さを悟り、無意味さ、というのは例えば年額にしたら大きい、というのは値引きとか節約でよく出てくる言い回しだが、年額というのは文字通り年にかかる額だが、最初に月の額を出したときには
「安いな」
と感じた人に、相手は年額を伝えるわけだが、この場合言われた人は咄嗟に、月の収入に対してのコストだと錯覚し、それで「高い」と感じてしまうのではないか。例えば月収の1パーセントの費用は
年収でも1パーセントになるのが通常だが、もしサラリーマンでボーナスがあれば1パーセントよりも低くなる。私が言いたいのは、高い、安い、は印象よりも割合で判断したほうが、いいのではないか、ということだ。だから私はさっきの発言の後、
「俺もだいぶ社会に洗脳されてるな」
と思った。

おわり。