意味をあたえる

文章としかいいようがない fktack@yahoo.co.jp

マグカップ

私はコーヒーを飲むときはいつもブラックで、前の職場のときは毎朝珈琲を淹れていたから毎日のように飲んでいて、そのときはマイ・カップを持参することになっていて、私が自分のを用意して持っていくと、他の人のはマグカップだったから私のは一回り小さく、そのため、
「熱いのが飲みたいから小さいカップなんですか?」
みたいなことを後輩の女に言われた。なるほどそういう考えもあるなあと思った。実際私は猫舌で、そのカップは友達とその彼女に誕生日にもらったもので、友達に誕生日プレゼントを贈る場合、よくその人にちなんだもの、例えばギターが好きならギターのキーホルダー、等、、、などを贈ったりするが、私は他人からすると無味無臭なのか、そういうのに全く統一性がなく、無難にいくとTシャツで、有難だと背中のでこぼこを棒でこすって鳴らす蛙の置物とか、シブがき隊のラストのCDを贈られたりする。シブがき隊のラストCDは最後に三人のコメントが入っていて、モックンはやはりしっかりしたことを言うが、フックンは小学生の作文みたいな、底の浅い言葉に終始して、
「こいつは見た目通りのバカだなあ」
と思った。しかし今聴いたら評価は逆転するかもしれない。私は友達に昔量産型ザクのプラモデルをあげたりしたが、私もそういうのが欲しいが、多分周りの人は私はぶきっちょで、短気を起こしてザクの頭を粉砕してしまうと思っているからシブがき隊なのだ。

そういう中でマグカップは比較的無難な種類で、マグカップの中にはメモ書きが入っていて、そこにはもう忘れたけどあまり愉快なことは書いてなかった。というのが、友達は元から友達だが、彼女は友達ではないのでそこに急拵えの友情を芽生えさせようとして、友人は私を笑い物にした。そこで彼女の方が完全に乗っからずに、少しは私をフォローすればいいものを、この女は馬鹿だからだんだんと会う度に下に見るような態度をするようになった。マグカップのメモ書きにも、
「どうしても欲しいと言うからあげます」
みたいなことが書いてあった。年下だから一応敬語なのだが、敬う気持ちは皆無であった。私は別に欲しくもなかったが、大人なので
「ありがとう」
と言った。容姿は優れていたが、私の恋人ではないから関係なかった。

それから二人は結婚したが、間もなく別れた。私の彼女に対する感情は、どちらかと言えばその後に作られたものであった。